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先日ふと思ったんですが、このブログで、私が所有しているギターのご紹介をほとんどしていませんでしたね。
生徒さんが使う貸し出し用ギターや、ブログを始めてから購入した楽器については、いくつか記事にしてきましたが。
今まで私が使ってきた歴代のギターに関しては、
ARIA ProⅡ『PE-DLX』だけしか記事にしていませんでした。
ですので、これから少しずつ、私が持っているギターをブログにて紹介していきたいと思います。と言っても、ご紹介できるほどのギターはそれほど無いのですけど。
で、本日ご紹介するのは、Gretsch『Country ClassicⅡ』です。
購入した時の経緯からお話します。
買ったのは、高校を卒業して東京で暮らし始めてからです。購入時にもらったオーナーズ・カードに購入日が書いてありました。ものぐさな私にしては珍しいです。
『平成元年9月購入』とありましたので、今からザッと25年前ですか・・・。
当時、新宿のクロサワ楽器にいきましたら、このギターがフロアーの真ん中に鎮座しておりました。
このゴージャスな見た目ですから、スゴク目立っていて、後光が差しているみたいでしたね。
で、一目惚れです。
その時は丁度、祖父母から卒業祝いと言いますか入学祝いと言いますか、ある程度の軍資金を頂いていたんです。
で、衝動買いです。
確か、音も出さずに即決したと思います。今考えると恐ろしい・・・。
その時の店員さんの殺し文句を、今でもハッキリ覚えています。
「グレッチがギターを再生産し始めたばかりで、使っている木がとても良いんです。」
当時の私は、グレッチに対しての知識が『ジョージ・ハリスンが使っていた』程度しかありませんでした。
でも、グレッチがどうとか、木がどうとか、殺し文句がどうとか・・・関係なかったです。
多分、あの日あの時あの場所で君に会えたのは、運命だったんです。
このギターを購入した後、少しずつですが、グレッチに関することを調べていきました。
私が一目惚れして衝動買いしたこのギターは、元々『Country Gentleman』という名のモデルでした。
この名前は、『チェット・アトキンス』の曲名に由来しています。
私がロカビリーにハマッていたことを以前の記事でお話ししましたが。その時によく聴いていたStray Catsのギターリスト『ブライアン・セッツァー』のルーツを探っていたら、『チェット・アトキンス』に行き当たりました。
そして、私が衝動買いしたこのギターの歴史をさかのぼったら、やっぱり『チェット・アトキンス』に行き着いたんです。
さらに、今一番尊敬できるギターリスト『トミー・エマニュエル』のルーツもやはり『チェット・アトキンス』にたどり着きます。
やっぱり、運命ですね。
グレッチは、1954年から、チェット・アトキンスと契約を結び、ギターを開発していったんです。
チェット・アトキンスとグレッチは、数々の名機を生み出しましたが、私のギターの元である『Country Gentleman』は、その中でもかなり高い評価を受けたモデルです。
チェット・アトキンスを尊敬していたジョージ・ハリスンが使っていたのも、この『Country Gentleman』です。
1967年、グレッチは、ピアノなどの製造メーカーであるボールド・ウィン社に買収されます。
それ以後のグレッチ・ギターは、評判があまり良くないですね。しかも、1979年には、チェット・アトキンスとの契約も終了してしまいます。
チェット・アトキンスとの契約が終了した結果、『Country Gentleman』という名前が使えなくなってしまいした。
それ以後は、このモデルの名前が『Country Classic』となった訳です。
ちなみに、グレッチとの契約が終わったチェット・アトキンスは、その後、ギブソンと契約を結びます。で、ギブソンでも『Country Gentleman』という名のモデルを発売していました。
ボールド・ウィンがグレッチのギター製造を手掛けていた間は、売り上げが伸びなかったようで、1980年には、ギターの製造を中止してしまいます。
この頃、グレッチの『6120』を革新的な奏法で弾き鳴らすブライアン・セッツァーが登場する訳です。ここからまた、グレッチのギターに注目が集まっていきます。
皮肉なもんですね。
1985年、グレッチの経営権を、再び創業者(グレッチ)一族が買い戻しました。
1989年ぐらいから、グレッチによる本物のグレッチ・ギターが製造されるようになっていったようです。
ハイ!出ました!1989年です。日本では、平成元年ですね。私が、クロサワ楽器で『Country ClassicⅡ』を衝動買いした年です。
店員さんの殺し文句『グレッチがギターを再生産し始めたばかり』とは、このことだったんですね。
確かにこんな歴史があったなら、経営権を買い戻して再スタートして最初に製造したギターは、気合を入れて作っているかもしれませんね。
しかも、この頃から、ギターは日本で製造されるようになったんらしいんですが。果たして、私のギターも『MADE IN JAPAN』なのでしょうか?
そうだったら、国産推しの私としては、非常に喜ばしいことです。もうちょっと調べて、この辺りのことを明確にしてみたいです。
ヘッド部
『Ⅱ』というのは、どういう意味があるのでしょうか?グレッチが、また『新たな気持ちで作り始めた』ということ?
『ARIA PROⅡ』といい『APX-700Ⅱ』といい、私のギターは『Ⅱ』が多い・・・。
ボディー部
ジョージ・ハリスンが使っていた『Country Gentleman』とは、仕様の違いが非常に多いです。
その中の一つが、『fホール』と呼ばれる、『f』の形をしたホールで、ジョージの『Country Gentleman』は、『f』のペイントだけで実際には穴が開いていませんでした。これは、ハウリング防止策です。
私のギターは、『f』の形に穴が開いています。なので、気を付けないと、特にライブではハウリングが酷くて大変です。
fホール内
モデルNoは、『6122』。これは、当時の『Country Gentleman』と同じです。
シリアルNoに『89』の文字が見えます。89年製造で間違えありませんね。
ピックアップ
グレッチ・ギターが、ここまで有名になった要因の一つに、このピックアップ『フィルタートロン』の存在が挙げられるでしょう。
正直、非常に扱いにくいピックアップです。納得のいく音を作るには、相当の労力と慣れが必要だと思います。私は、まだまだこのギターで納得のいく音を出したことがありません。
そういう意味では、ブライアン・セッツァーは、このピックアップの使い方の『一つの答え』を明確にしてくれましたね。
とはいえ、あの音は絶対にブライアンにしか出せませんが・・・。
ビグスビー社製アーム
このアームも、このギターに非常に独特の音を与えてくれます。
このアームによるビブラートは、スゴク独特で、一度使うと病み付きになりますね。これが付いていないと、このギターの価値は半減してしまうと、私は思っています。
2001年に、チェット・アトキンスは亡くなってしまいましたが・・・
2007年、グレッチは、チェット・アトキンスの遺族との契約で、再度ギターに『チェット・アトキンス』の名を刻むことが可能になりました。
もちろん、『Country Gentleman』の名も、戻ってきたんです。
その時のグレッチのカタログを、私は今でも大切に取ってあります。
2007年からのグレッチ・ギターは、チェット・アトキンスと一緒に開発してきた当時のギターと見紛うほどソックリなモデルを生産しています。
かなり値段も高いですが、一度弾いてみたいですね。
明日、久しぶりに東京の楽器屋さんを巡ってきます。
いつの年代のどんなギターが見られるか分かりませんが、当然グレッチのギターもたくさん見られるでしょう。
25年前のように、衝動買いをしてしまわないよう、しっかり自分を律していきたいと思います。
大丈夫かな・・・
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