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2013年02月18日

『CROSSROADS』~ブルースを気軽に学べる映画~




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先日、生徒さんから「お勧めのブルース音源は?」と聞かれました。
その時は、無難に「BBキング」とお答えしました。もちろん、文字通り王様を聞かないことには始まらない訳ですが。
でも、その後、何となく悩んでいました。

ブルースを勉強し演奏するにあたって、もう少し別のアプローチの仕方は無いだろうか?

ブルースは、音楽ジャンルの一つではありますが。それ以前に、文化そのものですね。
音源だけを聞いたところで、それはブルースの『結果』に触れるだけでしかありません。もっと、ブルースが音源として表現されるまでの過程、ブルースマンの生き方や歴史的背景を少しは学んでみるのも良いのではないかと、思った訳です。

ただ、私自身も、歴史背景やブルースマンの生き方などをほとんど知らない訳で、偉そうなことは言えません。で、勉強するとしても、ネットでの書き込みや書籍など、どうしても『文字』からの情報がほとんどです。
活字が苦手な私としては、そういった情報を読むのもちょっと大変。

そこで。もっと気楽に楽しくブルースを学ぶ方法は無いか?と思った訳です。

ハイ!で、思いつきました!これです。

『CROSSROADS』~ブルースを気軽に学べる映画~

1986年に公開された映画『CROSSROADS』です。

そうです。映画です。しかも、いわゆるB級映画といわれるような映画です。

でも私、この映画が最高に好きなんです。

主役は、あの『カラテ・キッド』で一躍スターとなった『ラルフ・マッチオ』。
ウィキペディアで検索すると、彼の経歴として『1984年に主演した「ベスト・キッド」が大ヒットし一躍有名になるも、その後はヒット作に恵まれず現在に至る』と書かれています。
とんでもありません。確かに『カラテ・キッド』は傑作で私も大好きですが。『CROSSROADS』もそれと同じぐらいの傑作です。失礼しちゃいますね。

この作品のストーリーを、差し支えない程度に書きます。

クラシックの音楽学校にギターの才能を認められ入学した少年ユジーン(ラルフ・マッチオ)。素晴らしいクラシックギターの才能がある彼は、一方で、ブルース、特に『ロバート・ジョンソン』に憧れる少年です。
自分でブルースについてイロイロ調べる内に、ロバート・ジョンソンには30曲目の未発表曲があるという伝説を見つけます(実際のロバート・ジョンソンは29曲42テイクの音源を残しています)。
そして、ロバート・ジョンソンと共に活動していた『ウィリー・ブラウン』が、近くの療養所にいることを突き止めます。
このウィリー・ブラウンこそ、ロバート・ジョンソンの未発表曲を知る唯一の人物。何とか、ウィリー・ブラウンと共にその曲をレコーディングして、世界を驚かせたいと画策するユジーン少年ですが・・・。

結局、ユジーンは、ウィリー・ブラウンにブルースを教えてもらう形となる訳ですが、気弱なのに小生意気で一言多い弟子役をやらせたら世界一のラルフ・マッチオが、ここでもその実力を遺憾なく発揮しています。

療養所を抜け出したウィリー・ブラウンとユジーンが目指すのは、ブルース生誕の地ミシシッピ、伝説の『CROSSROAD』です。

この映画、まず面白いのが、主人公の少年がクラシックの名手であること。でもブルースが好きで、音楽学校のテストでもクラシックとブルースを融合させてしまう。当然、音楽学校の先生は認めてくれません。
この葛藤は正に、ブルースと西洋音楽とがぶつかりあってきた(西洋音楽側から見た)歴史を表しています。

少年が弟子入りする形となった、その師匠ミスター・ミヤギ ウィリー・ブラウンは、ロバート・ジョンソンの師匠として本当に存在した人物(ウィリー・ブラウン)がモデルだと思います。彼は、かの『サン・ハウス』と一緒に活躍したブルースマンですが、実際は1953年に亡くなっています。彼が生きていたら・・・と仮定した脚本になっているんですね。

で、ロバート・ジョンソンと同じようにウィリー・ブラウンに弟子入りする主人公は、アメリカ南部までの旅の間にイロイロなことを学んでブルースマンとして成長していく訳です。

旅の途中のウィリー・ブラウンの台詞の数々や、白人と黒人の関係、南部の町並み(安いセットですが)など、まさにブルースが生まれ育った環境を『簡単に楽しく学ぶ』には、うってつけの教材です。

そんな、師匠ウィリー・ブラウンの台詞で好きなものを2つご紹介します。

黒人達に自分の演奏が受け入れられて「僕もブルースマンだ!」と得意になっているユジーンに対して言った一言「学校仕込みのコードなんて、フンッ」。
まぁ、実際の英語の台詞はもっと下品な訳ですが。この一言に、ブルースと西洋音楽に立ちはだかっていた壁の意味が込められているようで、面白いです。

そして、少しの間旅を共にした少女が静かに去っていった後、落ち込んでいるユジーン少年に言った言葉「ブルースは失った女を想う、男の悲しみだ」。
ロバート・ジョンソンは、実際に、奥さんとそのお腹の中にいた子供を出産の時に亡くしているそうです。その悲しみをブルースによって癒していったと言われています。

まぁ、こんな感じで。見方によってブルースの歴史も学べる映画となっていますし、ブルースや楽器が好きな人にとって時々『ニヤッ』としてしまうネタがあったりと、イロイロ勉強になるのですが。そこは娯楽映画、最後は『カラテ・キッド』なみの爽快感で幕を閉じます。
この終わり方も、『ブルースと西洋音楽の壁を打ち壊して、自分で新しい音楽を作っていくんだ』というメッセージのように取れなくもないですね(強引ですが)。

ただ、西洋音楽はもちろん、あらゆる文化を吸収して、たくさんの音楽に影響を与えていったブルースの『懐の深さ』は、実際とてつもなく凄いと思います。
ロバート・ジョンソンは、正にその見本で。先輩達から貪欲にブルースを学び、そして彼しか表現できない音楽を作っていきました。
この映画でのウィリー・ブラウンの最後の言葉も、そう考えてみると趣があります。

この映画の最大の見せ場は、やはりラストシーンですが。それと同じくらい素晴らしいのが冒頭の場面。
クロスロードでロバート・ジョンソンが悪魔に魂を売る伝説の場面。そして、初のレコーディングへ。

もう、スゲ~カッコイイです。

映像が残されていない彼の姿が、見られたようで得した気分ですね。

『ブルースって何だ?』と思っている方、『ブルースのこと少しだけ知りたいけど、本を読むのが面倒』と思っている方、『ラルフ・マッチオって、結局カラテ・キッドしかないよね』と思っている方、是非見てください。


ラルフさん、今はもう50歳を過ぎているそうです・・・
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Aamzonビデオでも見られます!
クロスロード (字幕版)



それにしても、この映画の評価めちゃくちゃイイナ~


『CROSSROADS』~ブルースを気軽に学べる映画~


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Posted by sinya at 01:11 │FAVORITE
この記事へのコメント
フレディ・キングもいいですよ。
中でもセイム・オールド・ブルースなんてなかなかです。(^^)
ベストキッド・・・懐かしいですね。最近のも観ましたがミヤギさんにはかないません。
Posted by 工房ike at 2013年02月18日 21:03
工房ikeさん、ありがとうございます。

フレディ・キング、良いですね!
さすがお目が高いです。

ブルースを聴くなら、やはり3大キングは外せませんね。

私も、最近の『ベスト・キッド』観ました!
ミヤギさんの代わりがいるとすれば、ジャッキーしかないかもと思いましたが。
やはり、ミヤギさんがベストでしたね。
Posted by sinyasinya at 2013年02月19日 16:58