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2013年05月28日
ASTURIAS『ソロスタンダードＣ』
私の、メイン・アコースティックギターです。
ＡＳＴＵＲＩＡＳ『ソロスタンダードＣ』
ＡＳＴＵＲＩＡＳは、九州・福岡県久留米市にある日本のワークショップで。約１５名の職人さんが、１本１本丹念にギターを造っているメーカーです。
そのギター造りのコンセプトは『偉大なギターといえども、弾きやすくなくてはならない』。
この『ソロスタンダードＣ』は、まさにＡＳＴＵＲＩＡＳギターのコンセプトがそのまま形になったようなギターです。
このギターと出会ったのは、約５年前です。地元の楽器店で、マーチンフェアをやっていたので、マーチン社のギターを買う気満々で行ってみました。
そこで、マーチン社のＯＭやＯＯＯなどを弾かせてもらいましたが、期待感が大きかったのか、どうもシックリこなかったんです。まぁ、予算的にグレードの高いシリーズは弾きませんでしたから・・・。
で、マーチン以外に良いギターはないかと店内を見回しましたら、この『ソロスタンダードＣ』と目が合ったんです。
当時、ＡＳＴＵＲＩＡＳというメーカーのことは、ギリギリ知っていました。でも、どちらかというと、クラシックギターのメーカーという認識でしたので、ある意味ちょっと興味をそそられたんです。
で、試奏させてもらう為に、このギターを抱えたんです。その時の感触は、今でもハッキリ覚えています。
音を出す前の、ギターを抱えた時点で購入が決まってしまったと言っても過言ではありません。
もちろん、アコースティックギターが楽器である以上、『音』は最も大切な要素です。そこをおろそかにしては、ギターに対してのモチベーションは、いずれ低下してしまうでしょう。
演奏技術が高くなればなるほど、より良い『音』を追求していくことに、必ずなっていくと思います。
ただ、『音』に関しては、かなり『好みの差』があると思います。さらに、良い音を聞き分けられる耳を、全ての人が持ち合わせているわけではありません。
演奏を聴く立場になって考えると、最も多くの人が良いと感じるのは『良い音で完璧な演奏』を聴いた時であるのは間違いないでしょう。
そして、その次に良いと感じるのは『無難な音でも完璧な演奏』を聴いた時だと思うんです。『良い音でも不完全な演奏』は、誰が聞いても決して良い演奏だとは感じないでしょう。
と言うことは。アコースティックギターにとって『良い音』は、非常に大切な要素ですが、『演奏者にとって弾き易い』ということより優先されるものでは無い。という定義も成り立つような気がします。
正にＡＳＴＵＲＩＡＳギターのコンセプト『偉大なギターといえども、弾きやすくなくてはならない』は、そういうことなんだと思います。
もちろん、音も完璧で自分にとって弾き易いギターがあれば文句無しですね。でもそれは、メーカーで決まることでは無いような気がします。たとえマーチン社のギターであっても、もし自分がシックリこなければ、それはやっぱり違ったんだと納得するしかありません。
私が『ソロスタンダードＣ』を抱えた時に感じたシックリ感は、まるで、自分にあつらえて作ってもらった服を着たような感覚だったんです。
『これなら、どんな曲も弾けそうだ！』と、思わせてくれるギターでした。
もちろん、ＡＳＴＵＲＩＡＳのギターは弾き易さだけではありません。
そこは、１５名の職人さんが、木材選びから丹念に１本１本造り上げている楽器です。もっと楽でお金を儲けることの出来るギターの造り方はあるにも関わらず、５０年以上も同じようにギターを造り続けてきたという事実だけで、スゴく信頼のおけることだと思います。
自分達の造るギターに自信がなければ、出来ることではありませんね。
私の『ソロスタンダードＣ』は、フィンガーピッキングでの弾き易さを重視して造られたモデルです。
ボディは小柄でカッタウェイなので、高音も弾きやすく。スケールは６４５ｍｍですが、ナット幅は４３ｍｍで非常に握りやすいです。
『Ｃ』は表板の材質を表します。シダー（杉）ですね。
この材質のお陰で、購入から５年経った今、音が非常に温か味を帯びてきています。とはいっても、こもった感じの音ではなく、音の抜けは非常に良いです。低音から高音までのバランスも問題ありません。
確かに、アコースティックギターの表板は『スプルース』が一般的で音も良いと言われていますが。『シダー』の音も、例えばキレイな曲を演奏する時などには「ずっと弾いていたい」と思わせてくれる力があります。
私は、以前から日本のメーカーの楽器が好きではありましたが。さらに、私の『日本推し』を決定付けたのは、このＡＳＴＵＲＩＡＳの職人さん達が造った１本のギターでした。
運命の出会いだったんだと思います。
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Posted by sinya at 00:25
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