2013年10月03日
ブレイシングを見てみる~アコギの構造ってどうなってるの?~
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突然ですが。アコースティックギターをお持ちの皆さん、ご自身のギターの『心臓部』を見たことがありますか?
ギターという楽器は、ある面において非常に不利な要素を持って生まれた楽器です。
ギターの不利な面とは、『音量』です。
ギターと同じような弦楽器の、バンジョーや日本の三味線の音を聞いたことがあるでしょうか?
それらの楽器は、ギターに比べるとだいぶ小さなボディーをしています。見た目だけでは、とても大きな音が出るようには見えませんが・・・
それらの楽器から発せられる音の、まぁ大きいことと言ったら!
バンジョーや三味線から発せられる音が、ボディの大きさからは想像もできないほど大きい理由の1つが、『皮』です。
どちらの楽器も、動物の皮(や合成製品など)をピンッと張った状態にして、弦の振動をその皮に伝えて音を増幅しているんですね。
皮を張って音を出す楽器というと、ドラムや太鼓を思い出します。
それら打楽器も、皮に振動を与える手段は違えど、やはりピンッと張った皮が振動することで大きな音が出ますよね。
ドラムや太鼓の音の大きさを考えると、確かに、バンジョーや三味線の音が大きいのもうなずけます。
アメリカでギターが発展していった過程で、例えばバンジョーやドラムなど他の楽器と一緒に演奏した時の『音量負け』は、ギターリストにとって非常にストレスになっただろうと想像できます。
それならば、ギターのボディにも『皮』を張ってしまえば良かったのではないかと、素人は思ってしまいますが・・・。
ギターの材料として、あくまでも『木』にこだわったのには、やはり理由があるのでしょう。
『木』にこだわった理由の1つは、『音質』だと思います。
バンジョーや三味線は、音量面では確かに優れています。もちろん、『音質』でも、非常に特徴的な音がするので、それらの特徴にマッチするジャンルには、絶対に欠かすことの出来ない楽器です。
ただ、これらの楽器は、(同等サイズ程度の)ドラムや太鼓のように、『トン』と鳴らした音は、それほど長く伸びません。弦を『ジャン』と弾いたあと、直ぐに音が止まってしまうんです。
ですから、これらの楽器を演奏する場合は、『常に鳴らし続ける』必要がある訳で。それもまた特有のプレイスタイルや楽曲がハマる理由でもあります。
一方、アコースティックギターは。1本の弦を弾くと、しばらく『ボ~ン』と音が鳴り、次第に小さくなりやがてスッと音が消えますよね。
そこに何か、線香花火のような切なさ・哀愁を感じる訳です。
さらに、バンジョーや三味線の音がとても『硬い』のに対して、ギターの音はそれらに比べると一般的には『柔らかい音』がします。
まさに、『木』が振動して出る優しい音です。
『優しい音が鳴り続け、余韻を残しスッと消えていく』
これだけでも、『木』を使うことの有利性は十分にあると思います。
とはいえ、やはり『音量』に関しては、他の楽器に比べて不利な場合が多かったのも事実のようで。出来るだけ大きな音が出るように、ボディを大きくし、弦の長さを伸ばし、弦のゲージを太くし・・・様々に試行錯誤されていったようです。
『ドレッドノート』といわれる、いわゆるマーチンの『D』シリーズに象徴される(当時としては)大きなボディのギターは、そのような背景で作り出されていったということのようです。
さて、それほど『音量や音質』に影響を与える、バンジョーや三味線でいうところの『皮』ですが、ギターでは当然『表板』になる訳です。
ギターを手に入れる時、皆さんが『表板』の材料や材質(単板か合板かなど)にこだわるのは、そこが『音量や音質』にとても影響を及ぼすからなんですね。
ただ、『表板』と一口に言っても、その構造は意外と複雑で、1枚の板だけで出来ている訳ではありません。
実は、表板の裏側には、『ブレイシング(力木)』といわれる木の棒が張り巡らされています。
で、この『ブレイシング』には、非常に大切な役目が2つあります。
1つは、表板の強度の確保。もう1つは、振動を表板全体に伝える役目です。
どんなに上質の材料を使っても、弦の張力に負けてしまえば、当然表板は破壊されます。とても楽器として使えません。
どんなに弦を弾いて振動させても、その振動が表板全体に行き届かなければ、音質も音量も中途半端になってしまいます。
かといって、表板の裏に縦横無尽にブレイシングを張り巡らせたら、強度が保てたとしても、表板の響きは抑制されてしまうでしょう。
つまり、ブレイシングは、『強度』と『振動』という、相反するような力を絶妙にコントロールしていかなければならないということなんですね。
ギターが今の構造に落ち着くまでには、この『ブレイシング』だけでも相当の試行錯誤が繰り返されたであろうことは、容易に想像が出来ます。
もちろん今でも、さまざまなメーカーや工房で試行錯誤が繰り返されていると思います。
『表板』は、普段とても近い場所にあるにもかかわらず、ほとんどその表面しか見ることがありません。しかし、目に見えない影の部分で、『強度』と『振動』を絶妙にコントロールしているブレイシングが、常に弦からの振動をボディ全体に伝えています。
ギターにとって『表板とブレイシング』は、まさに心臓部ですね。
もちろん、人間の心臓と同じで、表板とブレイシングだけではギターとして成り立ちません。ギターを形造るすべてのパーツが、寸分の狂いなく組み合わさることで、ギターは素晴らしい音色を奏でてくれるのは確かです。
それでも、『表板とブレイシング』は、音の要となるのも確かで。そこには、作り手の思いがたくさん詰め込まれているのだと思います。
さて。最初の質問に戻りますが、そんな、自分のギターの心臓部を見たことがありますか?見てみたくありませんか?
正直に言いますと、私もつい最近までブレイシングについて深く考えたこともなく、当然、じっくり見たこともありませんでした。
でも、少しずつギターの構造を勉強していく内に、どうしてもその心臓部を見てみたくなったんです。
で、こんなものを買ってみました。

ホームセンターで売っていたもので、何かを点検するための伸縮式のミラーです。
よく先生なんかが使う伸縮式の差し棒の先に、小さい四角いミラーが付いているんです。
これをギターのサウンドホールからソッと入れて、ブレイシングのある表板の裏側をちょっと覗いてみようという訳です。
で、これの優れているところが、ミラーの先端にLEDライトが2つ付いていることです。

なんか、カッコエエですね。
このライトのお蔭で、暗いギターの内部も明るく照らしてくれるだろうと予想した訳です。
それほど大きなものではないので、弦を張ったままでも十分にサウンドホールから入れることが出来ます。
で、画像では分かり難いですが、無事にブレイシングを見ることが出来ました。

実際には、上の画像よりもハッキリクッキリとよく見えます。
何か、いつも一緒に過ごしているパートナーの秘密を覗いてしまったような、すごくワクワクした気持ちでジロジロと観察してしまいました。非常に楽しい体験です。
で、今回のこの検診で、私のギターの心臓部に何が見えたのか?次の機会にご報告します。
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突然ですが。アコースティックギターをお持ちの皆さん、ご自身のギターの『心臓部』を見たことがありますか?
ギターという楽器は、ある面において非常に不利な要素を持って生まれた楽器です。
ギターの不利な面とは、『音量』です。
ギターと同じような弦楽器の、バンジョーや日本の三味線の音を聞いたことがあるでしょうか?
それらの楽器は、ギターに比べるとだいぶ小さなボディーをしています。見た目だけでは、とても大きな音が出るようには見えませんが・・・
それらの楽器から発せられる音の、まぁ大きいことと言ったら!
バンジョーや三味線から発せられる音が、ボディの大きさからは想像もできないほど大きい理由の1つが、『皮』です。
どちらの楽器も、動物の皮(や合成製品など)をピンッと張った状態にして、弦の振動をその皮に伝えて音を増幅しているんですね。
皮を張って音を出す楽器というと、ドラムや太鼓を思い出します。
それら打楽器も、皮に振動を与える手段は違えど、やはりピンッと張った皮が振動することで大きな音が出ますよね。
ドラムや太鼓の音の大きさを考えると、確かに、バンジョーや三味線の音が大きいのもうなずけます。
アメリカでギターが発展していった過程で、例えばバンジョーやドラムなど他の楽器と一緒に演奏した時の『音量負け』は、ギターリストにとって非常にストレスになっただろうと想像できます。
それならば、ギターのボディにも『皮』を張ってしまえば良かったのではないかと、素人は思ってしまいますが・・・。
ギターの材料として、あくまでも『木』にこだわったのには、やはり理由があるのでしょう。
『木』にこだわった理由の1つは、『音質』だと思います。
バンジョーや三味線は、音量面では確かに優れています。もちろん、『音質』でも、非常に特徴的な音がするので、それらの特徴にマッチするジャンルには、絶対に欠かすことの出来ない楽器です。
ただ、これらの楽器は、(同等サイズ程度の)ドラムや太鼓のように、『トン』と鳴らした音は、それほど長く伸びません。弦を『ジャン』と弾いたあと、直ぐに音が止まってしまうんです。
ですから、これらの楽器を演奏する場合は、『常に鳴らし続ける』必要がある訳で。それもまた特有のプレイスタイルや楽曲がハマる理由でもあります。
一方、アコースティックギターは。1本の弦を弾くと、しばらく『ボ~ン』と音が鳴り、次第に小さくなりやがてスッと音が消えますよね。
そこに何か、線香花火のような切なさ・哀愁を感じる訳です。
さらに、バンジョーや三味線の音がとても『硬い』のに対して、ギターの音はそれらに比べると一般的には『柔らかい音』がします。
まさに、『木』が振動して出る優しい音です。
『優しい音が鳴り続け、余韻を残しスッと消えていく』
これだけでも、『木』を使うことの有利性は十分にあると思います。
とはいえ、やはり『音量』に関しては、他の楽器に比べて不利な場合が多かったのも事実のようで。出来るだけ大きな音が出るように、ボディを大きくし、弦の長さを伸ばし、弦のゲージを太くし・・・様々に試行錯誤されていったようです。
『ドレッドノート』といわれる、いわゆるマーチンの『D』シリーズに象徴される(当時としては)大きなボディのギターは、そのような背景で作り出されていったということのようです。
さて、それほど『音量や音質』に影響を与える、バンジョーや三味線でいうところの『皮』ですが、ギターでは当然『表板』になる訳です。
ギターを手に入れる時、皆さんが『表板』の材料や材質(単板か合板かなど)にこだわるのは、そこが『音量や音質』にとても影響を及ぼすからなんですね。
ただ、『表板』と一口に言っても、その構造は意外と複雑で、1枚の板だけで出来ている訳ではありません。
実は、表板の裏側には、『ブレイシング(力木)』といわれる木の棒が張り巡らされています。
で、この『ブレイシング』には、非常に大切な役目が2つあります。
1つは、表板の強度の確保。もう1つは、振動を表板全体に伝える役目です。
どんなに上質の材料を使っても、弦の張力に負けてしまえば、当然表板は破壊されます。とても楽器として使えません。
どんなに弦を弾いて振動させても、その振動が表板全体に行き届かなければ、音質も音量も中途半端になってしまいます。
かといって、表板の裏に縦横無尽にブレイシングを張り巡らせたら、強度が保てたとしても、表板の響きは抑制されてしまうでしょう。
つまり、ブレイシングは、『強度』と『振動』という、相反するような力を絶妙にコントロールしていかなければならないということなんですね。
ギターが今の構造に落ち着くまでには、この『ブレイシング』だけでも相当の試行錯誤が繰り返されたであろうことは、容易に想像が出来ます。
もちろん今でも、さまざまなメーカーや工房で試行錯誤が繰り返されていると思います。
『表板』は、普段とても近い場所にあるにもかかわらず、ほとんどその表面しか見ることがありません。しかし、目に見えない影の部分で、『強度』と『振動』を絶妙にコントロールしているブレイシングが、常に弦からの振動をボディ全体に伝えています。
ギターにとって『表板とブレイシング』は、まさに心臓部ですね。
もちろん、人間の心臓と同じで、表板とブレイシングだけではギターとして成り立ちません。ギターを形造るすべてのパーツが、寸分の狂いなく組み合わさることで、ギターは素晴らしい音色を奏でてくれるのは確かです。
それでも、『表板とブレイシング』は、音の要となるのも確かで。そこには、作り手の思いがたくさん詰め込まれているのだと思います。
さて。最初の質問に戻りますが、そんな、自分のギターの心臓部を見たことがありますか?見てみたくありませんか?
正直に言いますと、私もつい最近までブレイシングについて深く考えたこともなく、当然、じっくり見たこともありませんでした。
でも、少しずつギターの構造を勉強していく内に、どうしてもその心臓部を見てみたくなったんです。
で、こんなものを買ってみました。

ホームセンターで売っていたもので、何かを点検するための伸縮式のミラーです。
よく先生なんかが使う伸縮式の差し棒の先に、小さい四角いミラーが付いているんです。
これをギターのサウンドホールからソッと入れて、ブレイシングのある表板の裏側をちょっと覗いてみようという訳です。
で、これの優れているところが、ミラーの先端にLEDライトが2つ付いていることです。

なんか、カッコエエですね。
このライトのお蔭で、暗いギターの内部も明るく照らしてくれるだろうと予想した訳です。
それほど大きなものではないので、弦を張ったままでも十分にサウンドホールから入れることが出来ます。
で、画像では分かり難いですが、無事にブレイシングを見ることが出来ました。

実際には、上の画像よりもハッキリクッキリとよく見えます。
何か、いつも一緒に過ごしているパートナーの秘密を覗いてしまったような、すごくワクワクした気持ちでジロジロと観察してしまいました。非常に楽しい体験です。
で、今回のこの検診で、私のギターの心臓部に何が見えたのか?次の機会にご報告します。
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Posted by sinya at 22:40
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