メジャー的ソロの作り方

sinya

2013年04月02日 23:22

【sinyaが開発!弾く脳トレ!よなおしギター】


私が専門学校に通っていた当時、講師である岩見和彦氏(NANIWA EXP)から言われた言葉を、今でも鮮明に覚えています。

「おまえら、メジャーがホントに下手だな」

氏の言葉で、なぜかこの一言だけは鮮明に覚えているんです。
上記の言葉を言われた時の状況ですが、アンサンブルという授業でのことでした。各プレイヤー科から同じ程度のレベルの生徒を集めてバンドを組まされ、そのメンバーで課題曲を練習していくという授業です。
メンバーも曲も、勝手に選ばれた中で曲を仕上げていくというのが、この授業のポイントですね。
まぁ、授業内容はそんな感じなのですが。その時の課題曲が、たぶん日本のポップスだったと思います。で、『完全にメジャー』な曲だったんです。

この場合の『完全にメジャー』とは、『メジャーキイのスローテンポなバラード調の曲』という意味です。

同じメジャーキイの曲でも、ロックやブルースとはまた違う雰囲気で、日本のポップスでは一番多く人気の高い曲調かもしれませんね。

で、その曲のギターパートを、当然、私達ギター科の生徒がアレンジして演奏していく訳ですが。それまで、ロックやブルースばっかりしかやってこなかった人間にとって、『完全にメジャー』な曲のアレンジは、とても難しかった訳です。
どうしても、ロックっぽさブルース臭さが抜けないというか・・・

で、見かねた岩見氏が、上記の言葉を発し、みんなの前で模範演奏をしてくれたという訳です。

当時の私がやっていた『完全にメジャーな曲でロックっぽいアレンジをする』場合と、岩見氏が教えてくれた『完全にメジャーな曲でメジャー的にアレンジする』方法。

この違いを、技術的にも理論的にも区別し自由に分けて演奏することが出来ると、ギターリストとしてはかなりレベルが高いと言えます。

これから数回に渡って、この両者の技術的・理論的な違いを、なるべく分かりやすく解説していきたいと思います。何回続くかはまだ分かりませんが、ギターリストにとってトテモ大切なことなので、慌てずジックリと更新していきたいと思います。
皆さんのギター上達に役立てていただけたら嬉しいです。


さて、『完全にメジャーな曲でロックっぽいアレンジをする』のと『完全にメジャーな曲でメジャー的にアレンジする』場合との違いを認識する為には、何は無くとも実際にそれぞれの特徴に合った曲を聴くのが一番!

なので、それぞれの特徴に合った曲を、私の独断で選びました。
特にアレンジの違いが顕著で分かりやすく現れているのが、『ギターソロ』の部分です。ですから、ギターソロのアレンジに注目して聴いてみて下さいね。

まずは『完全にメジャーな曲でロックっぽいアレンジをする』曲の代表です。

BEATLES『Let It Be』(ギターソロ1:58~)


あまりにも有名な曲ですね。曲調的にはスローテンポで完全にメジャーな曲です。ただ、お聞きのように、ジョージのギターは荒々しくロックっぽいですよね。
ギターソロの後も、ポールが歌っているにも関わらず、ジョージが弾きまくっています。すげ~ロックしてますよね。(※このギターの音は、後からオーバーダビングされたものです。)


続いて『完全にメジャーな曲でメジャー的にアレンジする』曲の例ですが、こちらは多分、知っている方がほとんどいらっしゃらないと思います。ただ、私が大好きな曲で、ギターソロが非常にカッコ良く、メジャー的なアレンジのソロというと、真っ先にこの曲が思い浮かんでしまいます。
このPVを見て、必死にコピーしたものです。

Stray Cats『I Won’t Stand In Your Way』(ギターソロ2:07~)


普段はバリバリロックなギターを弾くブライアン・セッツァーが、このソロを、しかもこの若さで弾けるところがサスガです。

このギターソロの特徴を一言で言うと『きれい』ですよね。『Let It Be』の泥臭いソロとは、完全に一線を画している訳です。
岩見氏がアンサンブルの授業で我々に求めたのは、こんな感じのアレンジだったんだと思うんです。もちろん、当時の私にこんなアレンジが出来るはずもありませんが・・・。

さて、それぞれの特徴に合った曲を1曲ずつ聴いていただきましたが、いかがでしたか?
同じ『スローテンポで完全にメジャーな曲』でも、ギターのアレンジの雰囲気がだいぶ違いますよね。

まず始めに気が付く大きな違いは『音』です。

『Let It Be』の方は、かなり歪ませていますね。一方、『I Won’t Stand In Your Way』の方は、ほとんど歪んでいません。これは、ブライアン・セッツァーの特徴でもあります。彼は、完全なロックを演奏する時も、歪みはそれほどキツクないんです。ただ、この曲に関しては、全くと言っていいほど歪ませていません。

このように、曲調やアレンジに合った『音』で演奏するのは、とても大切な要素になります。逆に言いますと、『音』によって、曲調を変えてしまうほどのインパクトがあるとも言えます。

という訳で。今回は『音』によって『ロックっぽく』するか『メジャー的』にするかの区別が出来ることが分かりました。

ただ、『音』に関しては、ギター・エフェクター・アンプがあれば、だれでも簡単に変えることが出来ますね。
当ブログでも、エフェクターを使った音の創り方を、過去何回か解説してきました。
これからは、『音』以外で、理論的・技術的な違いを、今回例としてあげた2曲を元に、もっと掘り下げて解明していきたいと思いますので。お楽しみに!


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