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2013年04月07日

メジャー的ソロの作り方 『Let It Be』ソロの解析編




【sinyaが開発!弾く脳トレ!よなおしギター】


これまで、3回に渡りまして、『マイナースケール』『ペンタトニックスケール』『マイナー・ペンタトニックスケール』と順に解説してきました。

今日はいよいよというか、やっと本題に入ります。

『完全にメジャーな曲でロックっぽいアレンジをする』方法の代表曲として挙げました『Let It Be』のギターソロを解析したいと思います。

その前に、これから解析するソロ部分のコード進行を見てみましょう。


メジャー的ソロの作り方 『Let It Be』ソロの解析編

『Let It Be』は、キイが『C(シーメジャー)』になります。スリーコード+少しのコードだけで演奏できますので、練習曲としても非常に優れていますね。
で、ギターソロの部分のコード進行は、Aメロとほぼ同じになっていて、キイがCのスリーコードとAm(6度マイナー)だけで演奏することが出来ます。

以上のことを踏まえまして、ギターソロの解析をしてみましょう。

まず、このギターソロに使われているスケールは『ペンタトニックスケール』です。
ですから、基本的には『5つの音』から出来ているフレーズになっています。

問題は、どんな『ペンタトニックスケール』を使っているか、ですね。

ビートルズもロックバンドですから、一番に考えられるのは『マイナー・ペンタトニックスケール』です。

この『Let It Be』のギターソロを聴くと、確かに『マイナー・ペンタトニック』を使用している感じがします。
そして、私の持っている『ビートルズ・パーフェクト・ソングブック』で確認しますと、明らかに6弦5フレットから始まる『Aマイナー・ペンタトニックスケール』のポジションを使った譜面が書いてあります。

※6弦5フレットから始まるAマイナー・ペンタトニックスケールはこのようになります。
メジャー的ソロの作り方 『Let It Be』ソロの解析編
実際にジョージがどのポジションで弾いていたかは、音で判断するしかありませんが。このソロの音使い・スライド・チョーキングの使い方を聴くと、確かに上記の『Aマイナー・ペンタトニックスケール』を使ったソロで間違い無いと思います。

いわゆる『マイナーペンタ1発』というソロですね。

でも、ここで疑問が浮かびます。
先ほど『Let It Be』は、キイが『C(シーメジャー)』であると解説しました。
キイが『C(シーメジャー)』のコード進行に対して、ギターソロを『Aマイナー・ペンタトニックスケール』で演奏して大丈夫なのでしょうか?

前回の記事で、『キイがメジャーの曲に対して、そのキイの音から始まるマイナー・ペンタトニックスケールを使うことは、理論的に間違ったことですが、それに違和感を覚えないほど、その使い方は当たり前になっています』と解説しました。
そして、その使い方こそが『ロック』であるということだったはずですね。

ですから、もし『Let It Be』で、ロックなギターソロを演奏したい場合は、キイがC(シーメジャー)に対して『Cマイナー・ペンタトニックスケール』を使う方が良いのではないか?と、思う訳です。

それなら、実際にやってみましょう。

簡単な『Let It Be』のギターソロカラオケを作って、その上に『Cマイナー・ペンタトニックスケール』を使って、元のソロと同じようなフレーズを演奏してみました。
お聴き下さい。



急いで録音したので、全体的なクオリティーは低いですが・・・ソロの雰囲気は十分伝わりますね。

で、いかがですか?キイがCメジャーの『Let It Be』に『Cマイナー・ペンタトニックスケール』を使ったフレーズを乗せると、どよ~んと暗くなっちゃいますよね。
まぁ、ここの部分だけ聞くと、全然駄目か?と言われれば、そこまで変ではないのですが。明らかに、この曲の雰囲気にはそぐわないですよね。ギターソロで、せっかくの名曲をダメにしている感じがします。

確かにこれなら、元のジョージのソロの方が何倍もこの曲にマッチしていて断然カッコイイですよね。

では何故、ジョージはキイがC(シーメジャー)の『Let It Be』のソロとして、『Aマイナー・ペンタトニックスケール』をチョイスしたのでしょうか?

実はここに『完全にメジャーな曲でロックっぽいアレンジをする』方法の最大のヒントがあるんです。

記事『メジャー的ソロの作り方 マイナースケール編』の中で『CメジャースケールとAマイナースケールは全く同じ音(のグループ)から出来ています』と解説したのは、この為だったんですね。

CメジャースケールとAマイナースケールが同じ音で出来ているということは、Aマイナースケールの中の5つの音を抽出して作った『Aマイナー・ペンタトニックスケール』も、もちろんCメジャースケールに使われているのと同じ音で出来ている訳です。

ジョージはこのソロを、Aマイナー・ペンタトニックスケールで演奏しています。が、実はそれは、曲のキイと同じ『Cメジャースケールの音を使って演奏している』のと同じことになるんです。

『キイがC(シーメジャー)の曲にCメジャースケール』。これなら、全く問題ない訳ですね。

特集記事『メジャー的ソロの作り方』は、あくまで『完全にメジャーな曲』を対象にアレンジやソロを考えていくことを前提に進めています。

『完全にメジャーな曲』とは、『メジャーキイのスローテンポなバラード調の曲』という事です。

で、上記の音源でも分る通り、『完全にメジャーな曲』に対してのアレンジやソロには、そのキイと同じ音から始まるマイナー・ペンタトニックスケールを使うと、曲の雰囲気を壊してしまう可能性があるんです。

具体的にいえば、キイがC(シーメジャー)の『Let It Be』のアレンジやソロには『Cマイナー・ペンタトニックスケール』を使わない方が得策ですよ。

という事なんです。言い換えれば、

キイがC(シーメジャー)の『Let It Be』に対しては、ジョージが演奏しているように『Aマイナー・ペンタトニックスケール』を使った方が無難ですよ。

という事なんです。

キイがC(シーメジャー)の曲でCメジャースケールの音を使って演奏しているのですから、無難なのは当然なのですが。にもかかわらず、『Let It Be』のソロが非常にロックしているのは、音を歪ませ、チョーキングやスライドなどのテクニックを駆使して『Aマイナー・ペンタトニックスケール』として演奏しているからなんです。

マイナー・ペンタトニックスケールは、それほど、ロックっぽいフレーズを弾くのに適したスケールです。そして、歴代のロックギターリスト達が、マイナー・ペンタトニックスケールを使って数々の素晴らしい演奏をしてきたお陰で、何のキイの曲で演奏しても、それを我々は『ロックだ!』と感じてしまうんですね。

『ロックっぽく』演奏したい時には、何は無くともマイナー・ペンタトニックスケールを使えば万事OKです。

ただ、『Let It Be』のような『完全にメジャーな曲』の時だけは、キイに気を付けて下さいね。


今日のまとめです。

☆キイがC(シーメジャー)の『Let It Be』のギターソロは、『Aマイナー・ペンタトニックスケール』を使って演奏されています。

☆キイがC(シーメジャー)の『Let It Be』のギターソロとして『Cマイナー・ペンタトニックスケール』を使うと、曲の雰囲気を壊してしまいます。

☆『Aマイナー・ペンタトニックスケール』は、Cメジャースケールの構成音の中の音から出来ています。

☆マイナー・ペンタトニックスケールは、『ロックっぽい』演奏をするのに非常に適したスケールです。ただし、『Let It Be』のような『完全にメジャーな曲』に使う時には、キイに注意しましょう。


今回、かなり長く難しい解説になってしまい申し訳ありません。
興味のある方で、疑問点などありましたら、コメントやメッセージにて遠慮無くご質問下さい。


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・メジャー的ソロの作り方 最終回 実践編


メジャー的ソロの作り方 『Let It Be』ソロの解析編


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Posted by sinya at 00:56 │音楽理論
この記事へのコメント
このソロは理論上はCメジャーペンタです
間違いを教えるのはやめましょう
Posted by www at 2013年06月08日 23:56
wwwさま、ご指摘ありがとうございます。

私も、もっと勉強していきたいと思います。
Posted by sinyasinya at 2013年06月09日 00:22