↓こちらもチェック! ウクレレ独学応援
↓こちらもチェック! ===============
Information
静岡県東部・伊豆 ブログポータルサイト イーラ・パーク
 

2013年04月07日

メジャー的ソロの作り方 メジャー的ソロの必要性編




【sinyaが開発!弾く脳トレ!よなおしギター】


ビートルズのジョージ・ハリスンは、キイがC(シーメジャー)の『Let It Be』のソロに『Aマイナー・ペンタトニックスケール』を使いました。

そんな『Let It Be』のソロを、もう少し詳しく見てみましょう。

このソロが『Aマイナー・ペンタトニックスケール』で作られているとすると、使っている音は5つです。
その5つの音は『ペンタトニックスケール編』の時に解説したように、『マイナースケールの特徴を顕著に表す為』にマイナースケールの中から選ばれた音です。
言ってみれば、マイナースケールの中で大切な音をピックアップしていったものなんです。

マイナースケールの中でも、その特徴を顕著に表す大切な音は、以下の5つでしたね。

<P1> <m3> <P4> <P5> <m7>

これを、Aマイナー・ペンタトニックスケールに限れば、その5つの音名は以下のようになります。

<ラ> <ド> <レ> <ミ> <ソ>

確認の為、音をもう一度聴いてみましょう。




しつこいようですが、『Let It Be』では、この『Aマイナーペンタトニックスケール』を使ってソロを作っています。が、それは、あくまでもCメジャースケールと同じ音が使われているからであって、実質的には『Cメジャースケールを使ってソロを作っている』ことになります。
ですので、この5つの音も、本来は、ルート音(1度の音)を『C(ド)』として考えるべきなんです。

と言っても、そんなに難しいことではありません。
Aマイナー・ペンタトニックスケールを、C(ド)から始めて演奏してみればよいのです。

<ラ> <ド> <レ> <ミ> <ソ> 

という並びを

<ド> <レ> <ミ> <ソ> <ラ>

にするだけです。使う音は一切変えていません。

では、このAマイナー・ペンタトニックスケールを『C(ド)』から始めたものを五線譜に表してます。

メジャー的ソロの作り方 メジャー的ソロの必要性編

あれ?どこかで見たことありますね。

今度は、上の五線譜に表されたスケールの音を聴いて見ましょう。




うん。やっぱりこの音階は、聴いたことがあります。

もっと詳しく解析する為に、『Let It Be』のソロを、スケールとの関係性が非常に良く分る楽譜・・・そうです!度数譜にして確かめてみましょう。

『Let It Be』のソロの度数譜は、以下のようになります。

メジャー的ソロの作り方 メジャー的ソロの必要性編

ご覧のように、C(ド)をルート音として表すと、見事に『4度(ファ)』と『7度(シ)』がありませんね!

そう、これは、日本特有のペンタトニックスケール『ヨナ抜き音階』そのものです!

ジョージは、ロックっぽいソロにする為に『Aマイナー・ペンタトニックスケール』を使ってフレーズを作りました。それは『Cメジャースケール』を使って演奏していることと同じなのですが、そこまでは当然、ジョージ自身も把握しての演奏です。でもまさか、日本特有の『ヨナ抜き音階』と全く同じスケールを使っていたとは、知る由も無かったでしょう。

『ペンタトニックスケール編』でも解説した通り、日本特有の『ヨナ抜き音階』は、どこか叙情的でもの哀しく、それでいてとても優しい感じがするんですよね(私感です)。

まさに、『Let It Be』には、うってつけのスケールと言えます。

日本特有の『ヨナ抜き音階』が、こんな世界的に活躍しているなんて、何だか嬉しいですね。


前回解説しましたように、マイナー・ペンタトニックスケールは、ロック的なフレーズを作るのに最も適したスケールと言えます。
スケールの形や、チョーキングが出来る場所など、技術的にも非常にロックにマッチしていますし。歴代のロックギターリスト達による使用頻度は、ダントツに高いでしょう。

そんなマイナー・ペンタトニックスケールが、今回の特集記事で取り上げている『完全にメジャーな曲』に対しても、凄いポテンシャルを秘めていたんですね。
使い方によっては、ロックっぽい雰囲気を出しつつ、どこか叙情的でもの哀しく、さらには、優しい雰囲気まで出すことが可能なのですから、これほど素晴らしいスケールは無い訳です。

ところがです。特集記事の最初に書いたように、我が師である『岩見和彦氏』は、それを『善し』とはしませんでした。

何故なんでしょうか?

マイナー・ペンタトニックスケールは、見てきたように、イロイロな表現が可能で、応用の利く、非常に便利なスケールです。
ただ、逆に言いますと、マイナー・ペンタトニックスケールがあまりにも便利な為、それ以外のスケールを使って演奏をする必要がなくなってしまう。マイナー・ペンタトニックスケールを使って何でも無難に演奏できてしまうので、ギターリストとして、それ以上のレベルアップが無くなってしまう。
もっと言うなら、マイナー・ペンタトニックスケールから抜け出せないギターリストが、たくさんいる。
趣味でギターやバンドをやっている方は、もちろんそれで十分だと思います。生涯マイナー・ペンタトニックスケールだけで演奏していても、全く問題無い訳です。
ただ、専門学校に入って、しっかりした応用の利く技術を身に付けようという人間が、マイナー・ペンタトニックスケールしか使えないのは、やはりダメなんだと。岩見氏は、自身の経験から感じていて、それを我々に伝えたかったんだと思うんです。

そこで今回、『メジャー的ソロの作り方』という特集記事を組んで、今、私が分っていることだけではありますが、記事にすることによって、1人でも多くのギターリストが『マイナー・ペンタトニックスケールから抜け出す』キッカケとなったら幸いだなと、思った次第です。

という訳で、次回からはイヨイヨ、マイナー・ペンタトニックスケールからの脱却を試みてみましょう。


今回のまとめです。

☆Aマイナー・ペンタトニックスケールを『C(ド)』から始めると『ド・レ・ミ・ソ・ラ』になります。

☆『ド・レ・ミ・ソ・ラ』は、日本特有の『ヨナ抜き音階』と全く同じ構成音です。

☆『Let It Be』のソロが、ロックっぽいのに、どこか叙情的でもの哀しく、それでいてとても優しい感じがするのは、『ヨナ抜き音階』と全く同じ音を使っているからです。

☆マイナー・ペンタトニックスケールは、万能薬です。ただ、使い過ぎると、それ無しではいられなくなる危険性があります。ギターリストとしてレベルを上げる為には、マイナー・ペンタトニック以外のスケールを使ったフレーズやソロも演奏できるようにしたいですね。


☆『メジャー的ソロの作り方』関連記事
・メジャー的ソロの作り方
・メジャー的ソロの作り方 マイナースケール編
・メジャー的ソロの作り方 ペンタトニックスケール編
・メジャー的ソロの作り方 マイナー・ペンタトニックスケール編
・メジャー的ソロの作り方 『Let It Be』ソロの解析編
・メジャー的ソロの作り方 メジャー的ソロの必要性編
・メジャー的ソロの作り方 マイナーペンタからの脱却編
・メジャー的ソロの作り方 コード感のあるフレーズ編
・メジャー的ソロの作り方 最も簡単で最も効果的なソロ編
・メジャー的ソロの作り方 2つの音を弾く編
・メジャー的ソロの作り方 2つの音を弾く その2編
・メジャー的ソロの作り方 最終回 実践編


メジャー的ソロの作り方 メジャー的ソロの必要性編


【初心者・独学ギターリストの強い味方】とにかくギターを弾きたいという方へおすすめの教材です!





同じカテゴリー(音楽理論)の記事画像
「押さえる場所が分からない!」を解決~二胡の効率的な練習方法1~
『固定ド』と『移動ド』の違いについて~日本のピアノ学習の失敗~
二胡の新しい練習方法を考えてみる~ピアノ経験者向け~
ギターのポジションマークの位置に意味はあるか?~新しいポジションマークの位置を考える~
ギターの指板上の音名は覚える必要があるか?
二胡を練習して分かったこと~度数で音楽理論を学ぶことの利点~
同じカテゴリー(音楽理論)の記事
 「押さえる場所が分からない!」を解決~二胡の効率的な練習方法1~ (2018-05-28 21:44)
 『固定ド』と『移動ド』の違いについて~日本のピアノ学習の失敗~ (2018-05-24 22:38)
 二胡の新しい練習方法を考えてみる~ピアノ経験者向け~ (2018-05-23 22:51)
 ギターのポジションマークの位置に意味はあるか?~新しいポジションマークの位置を考える~ (2018-05-12 23:35)
 ギターの指板上の音名は覚える必要があるか? (2018-05-12 14:10)
 二胡を練習して分かったこと~度数で音楽理論を学ぶことの利点~ (2018-05-10 00:08)

Posted by sinya at 22:33 │音楽理論