2013年11月24日
指板のインレイ加工
⇒【sinyaが開発!弾く脳トレ!よなおしギター】
『インレイ』とは『はめ込み細工』のことです。
高級なギターになると、ボディや指板に動物や植物などをモチーフにした様々な模様が施されている場合がありますね。
例えば、比較的シンプルなギター造りをしているアストリアス・ギターも、指板に綺麗なインレイを施したモデルが存在ます。

このような高級なギターのインレイの素材には、ホワイトパールやアバロンなどの貝が使われていることが多いようです。
つまり、このような豪華なインレイは、硬い貝を細かく加工し、さらに、ギターのボディ側には加工した貝がピッタリと収まるような『掘り込み』を施し、ギターに接着した貝をさらに磨き上げて完成する訳です。
まさに職人技。この手間を考えると、確かに豪華なインレイは、ある程度は高級なギターにしか施すことが出来ないことになりますね。
なので、『インレイ=高級なギターに高級な素材を使い派手なデザインを施すもの』と思いがちですが。例えば、小さな丸いポジションマークで、しかも素材が樹脂であっても、それが『はめ込んで細工』されたものであるなら、もちろんそれも『インレイ』ということが言えます。
さて。以前ご紹介しました、私が初めて手に入れたギター、モーリス『MV-701』のお話です。
このギターを購入した時、ちょうど『名前入れキャンペーン』の最中だったんです。
これが、楽器店のキャンペーンだったのか、メーカーのキャンペーンだったのか、覚えていないのですが。このキャンペーンは、ギター本体の代金に3,000円をプラスすることで『ギターの指板に名前を彫り込んだプレートを埋め込んでくれる』という内容でした。
たぶん、私の父親だったと思いますが、「せっかくだから入れてもらえ」と提案してくれて、資金も出してくれたと思います。
後日、楽器店から「プレートが出来上がりました」との連絡が入り、早速、ギターを持って私1人で楽器店に行った訳です。
その時のことは、非常によく覚えています。
対応してくれたのは、楽器店のスタッフのSさんと、モーリスの社員さん。
社員さんが、私が持ってきたギターの弦の劣化具合を見て「しっかり練習してるね」と言ってくれました。
名入りプレートを埋め込む加工には、当然、弦を外す必要があります。ただ、その時私は、新しい弦を買うお金を持っていなかったんです。
モーリスの社員さんは、そんな私を不憫に思ったのか、自分の工具箱から新しい弦を出して、無料で張り替えてくれました。さらに、弦の張り替え方を丁寧に教えてくれたんです。
この時教えてもらった弦の張り替え方、今でもハッキリ覚えていて。それ以後はズット同じ方法で弦を張り替えています。
自分の名前が入ると、確かに思い入れが増します。その時に埋め込んでもらった名入りプレート、かなり気に入っていました。
ところが・・・
いつの間にか、プレートが外れてしまい、紛失してしまったんです。
MV-701を弾かなくなってだいぶ経ちますから、もう未練はないと思っていましたが。今度、Sさんのリペアショップで調整をしてもらうことになり、フレットの減りやネックの反りに加えて、この『名入りプレートが埋め込まれていた痕』が、とても気になりました。
で、調整をお願いする前に、自分でインレイ加工を施すことに決めたんです。
ただ、インレイ加工は経験がありませんし。予算も掛けられないので、有り合わせのモノで頑張るしかありません。
以下に説明する加工の方法は、あくまでも素人が適当にやったものだとご了承の上で見て頂けたら幸いです。
まず、30年前に埋め込んでもらったプレートが無くなった状態の『掘り込み痕』です。

大体ですが、7mm×40mmの大きさで、深さは1.5mmほどあります。
ネットで『インレイ』を検索すると、様々な素材や形のものが手に入ることが分かりました。
で、ちょっと贅沢に『パール貝』を使うことにしました。

大きさは、40mm×40mm、厚さが1.5mmのモノがありました。これなら最小限の加工で済みそうです。
ただ、値段はこの大きさでも2,800円ほどします・・・
ここから作業に入ります。
まずは、寸法を測り、切断する時のガイドにするため、インレイに印を付けます。
そして切断です。切断には金属も切れる『NASAも使用の革命児 フリーウェイコッピングソー』を使いました。

この鋸は、バイクの改造をした時に使っていたものです。ただ、この革命児をもってしても、パール貝の切断にはかなりの時間を有しました。
パール貝は、相当に硬いです。
さらに、真っ直ぐに切断するのが難しい・・・
これは、インレイが小さいということも原因の1つです。本来は、万力などでインレイを固定してしまった方がやり易いのでしょうが。今回は、普通に机の上で切断しましたので・・・相当慎重に鋸を動かさないと真っ直ぐに切れていきませんでした。
そんなこともあり、たった40mmを切断するのに1時間近く掛ってしまいました。
切断した大きさは、ギター指板側の『掘り込み』よりも若干大き目にしましたので。切断後は、100番のサンドペーパーでひたすら形を整えていきます。
この作業も、(飽きっぽい私には)かなり根気のいる作業でした。
ただ、このヤスリ掛け次第で完成度が決まってしまいますので。(私にしては)頑張って慎重に削っていきました。
こちらも、1時間ほど掛かりましたが。
MV-701の指板の『掘り込み』にピッタリとハマるパール貝のインレイが出来上がりました。
指板の『掘り込み』には、まだ当時の接着剤が残っていましたので、息子の彫刻刀をお借りして、綺麗に接着剤を取り除きます。
これで、完成したインレイを接着すれば完成ですが・・・
ただインレイの板を切って埋め込むだけでは、何だか寂しい。
そこで、インレイに名前を彫り込むことにしました。(素人なのに無謀ですね・・・)
以下は、名前の彫り込み作業になります。
まずは、彫り込む文字を紙の上でデザインしてみます。デザインが決まりましたら、インレイに鉛筆で下書きをします

デザインに関しても全くの素人ですので、完全な自己満足です。デザインの良し悪しに関してのご意見は、皆様の心の中に仕舞って置いて下さい。
下書きを元に、彫り込んでいく訳ですが。掘り込みには『ミニルーター』を使います。

これは、以前に趣味でアクセサリーを作っていた時に使っていたものです。これが無ければ、自分で名前を彫り込むなんて無謀なことは考えなかったと思います。
リューターは、用途によって先端を変えることが出来ます。
今回のように細かい『彫刻』をする場合は、先の細い『ダイヤモンドビット』というものを使います。
フリーハンドなので、かなり凸凹してしまいましたが。大体彫り終わりました。

ただ、もちろんこれだとデザインが全然目立ちませんので、色を付けていきます。
色付けには『アクリル絵の具』の黒を使いました。これも家にあったものです。
果たして、パール貝に対してアクリル絵の具が適しているのか全く分かりませんが。たったこれだけのデザインに色付けをする為だけに専用の塗料を買うのも面倒だったので、使ってしまいました。
ギターを弾いている内に色落ちなどするようだったら、また塗料もしっかり考えてやり直してみたいと思います。
で、色を入れた状態です。

まだこの状態では、文字も凸凹していて、インレイの表面にも細かい傷が多数あります。
リューターの先端に細かいヤスリを付けて磨きます。さらに、最終的には純毛のバフを付けて磨きました。

今回使用したリューターの先端部です。
左から、彫刻に使った『ダイヤモンドビット』、磨きに使った『純毛バフ』と『シリコンバフ』です。
リューターは、本当に便利ですね。
で、ギターの指板に仮留した状態です。

紙上でデザインした時に比べて、何だかバランスが悪くなってしまった上、彫刻も仕上げも雑で凸凹感が残っていますが・・・
まぁ、私にはこれが限界ということで。余裕があれば、あともう少しだけ修正してみたいと思います。
以上で、とりあえずMV-701のインレイ加工は終了とします。
ホントに有り合わせのモノを使っての加工で、しかも、ギターの指板側の『掘り込み』は行っていませんので、全く参考にならないかもしれませんが・・・
ただ、今回の作業で1つだけ分かった確かな情報があるとすれば、『貝は堅い』ということで。切断と整形には、かなりの手間と忍耐が必要だということです。
今回は、四角いインレイの加工だけでしたが、これが複雑なデザインのものを作ると考えると・・・
とても私には出来ません。
最近、私の苦手なDIYの記事が続きますが。まぁ、ギターリストは、こんな作業も結構やらなければならないんですよね。
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『インレイ』とは『はめ込み細工』のことです。
高級なギターになると、ボディや指板に動物や植物などをモチーフにした様々な模様が施されている場合がありますね。
例えば、比較的シンプルなギター造りをしているアストリアス・ギターも、指板に綺麗なインレイを施したモデルが存在ます。

このような高級なギターのインレイの素材には、ホワイトパールやアバロンなどの貝が使われていることが多いようです。
つまり、このような豪華なインレイは、硬い貝を細かく加工し、さらに、ギターのボディ側には加工した貝がピッタリと収まるような『掘り込み』を施し、ギターに接着した貝をさらに磨き上げて完成する訳です。
まさに職人技。この手間を考えると、確かに豪華なインレイは、ある程度は高級なギターにしか施すことが出来ないことになりますね。
なので、『インレイ=高級なギターに高級な素材を使い派手なデザインを施すもの』と思いがちですが。例えば、小さな丸いポジションマークで、しかも素材が樹脂であっても、それが『はめ込んで細工』されたものであるなら、もちろんそれも『インレイ』ということが言えます。
さて。以前ご紹介しました、私が初めて手に入れたギター、モーリス『MV-701』のお話です。
このギターを購入した時、ちょうど『名前入れキャンペーン』の最中だったんです。
これが、楽器店のキャンペーンだったのか、メーカーのキャンペーンだったのか、覚えていないのですが。このキャンペーンは、ギター本体の代金に3,000円をプラスすることで『ギターの指板に名前を彫り込んだプレートを埋め込んでくれる』という内容でした。
たぶん、私の父親だったと思いますが、「せっかくだから入れてもらえ」と提案してくれて、資金も出してくれたと思います。
後日、楽器店から「プレートが出来上がりました」との連絡が入り、早速、ギターを持って私1人で楽器店に行った訳です。
その時のことは、非常によく覚えています。
対応してくれたのは、楽器店のスタッフのSさんと、モーリスの社員さん。
社員さんが、私が持ってきたギターの弦の劣化具合を見て「しっかり練習してるね」と言ってくれました。
名入りプレートを埋め込む加工には、当然、弦を外す必要があります。ただ、その時私は、新しい弦を買うお金を持っていなかったんです。
モーリスの社員さんは、そんな私を不憫に思ったのか、自分の工具箱から新しい弦を出して、無料で張り替えてくれました。さらに、弦の張り替え方を丁寧に教えてくれたんです。
この時教えてもらった弦の張り替え方、今でもハッキリ覚えていて。それ以後はズット同じ方法で弦を張り替えています。
自分の名前が入ると、確かに思い入れが増します。その時に埋め込んでもらった名入りプレート、かなり気に入っていました。
ところが・・・
いつの間にか、プレートが外れてしまい、紛失してしまったんです。
MV-701を弾かなくなってだいぶ経ちますから、もう未練はないと思っていましたが。今度、Sさんのリペアショップで調整をしてもらうことになり、フレットの減りやネックの反りに加えて、この『名入りプレートが埋め込まれていた痕』が、とても気になりました。
で、調整をお願いする前に、自分でインレイ加工を施すことに決めたんです。
ただ、インレイ加工は経験がありませんし。予算も掛けられないので、有り合わせのモノで頑張るしかありません。
以下に説明する加工の方法は、あくまでも素人が適当にやったものだとご了承の上で見て頂けたら幸いです。
まず、30年前に埋め込んでもらったプレートが無くなった状態の『掘り込み痕』です。

大体ですが、7mm×40mmの大きさで、深さは1.5mmほどあります。
ネットで『インレイ』を検索すると、様々な素材や形のものが手に入ることが分かりました。
で、ちょっと贅沢に『パール貝』を使うことにしました。

大きさは、40mm×40mm、厚さが1.5mmのモノがありました。これなら最小限の加工で済みそうです。
ただ、値段はこの大きさでも2,800円ほどします・・・
ここから作業に入ります。
まずは、寸法を測り、切断する時のガイドにするため、インレイに印を付けます。
そして切断です。切断には金属も切れる『NASAも使用の革命児 フリーウェイコッピングソー』を使いました。

この鋸は、バイクの改造をした時に使っていたものです。ただ、この革命児をもってしても、パール貝の切断にはかなりの時間を有しました。
パール貝は、相当に硬いです。
さらに、真っ直ぐに切断するのが難しい・・・
これは、インレイが小さいということも原因の1つです。本来は、万力などでインレイを固定してしまった方がやり易いのでしょうが。今回は、普通に机の上で切断しましたので・・・相当慎重に鋸を動かさないと真っ直ぐに切れていきませんでした。
そんなこともあり、たった40mmを切断するのに1時間近く掛ってしまいました。
切断した大きさは、ギター指板側の『掘り込み』よりも若干大き目にしましたので。切断後は、100番のサンドペーパーでひたすら形を整えていきます。
この作業も、(飽きっぽい私には)かなり根気のいる作業でした。
ただ、このヤスリ掛け次第で完成度が決まってしまいますので。(私にしては)頑張って慎重に削っていきました。
こちらも、1時間ほど掛かりましたが。
MV-701の指板の『掘り込み』にピッタリとハマるパール貝のインレイが出来上がりました。
指板の『掘り込み』には、まだ当時の接着剤が残っていましたので、息子の彫刻刀をお借りして、綺麗に接着剤を取り除きます。
これで、完成したインレイを接着すれば完成ですが・・・
ただインレイの板を切って埋め込むだけでは、何だか寂しい。
そこで、インレイに名前を彫り込むことにしました。(素人なのに無謀ですね・・・)
以下は、名前の彫り込み作業になります。
まずは、彫り込む文字を紙の上でデザインしてみます。デザインが決まりましたら、インレイに鉛筆で下書きをします

デザインに関しても全くの素人ですので、完全な自己満足です。デザインの良し悪しに関してのご意見は、皆様の心の中に仕舞って置いて下さい。
下書きを元に、彫り込んでいく訳ですが。掘り込みには『ミニルーター』を使います。

これは、以前に趣味でアクセサリーを作っていた時に使っていたものです。これが無ければ、自分で名前を彫り込むなんて無謀なことは考えなかったと思います。
リューターは、用途によって先端を変えることが出来ます。
今回のように細かい『彫刻』をする場合は、先の細い『ダイヤモンドビット』というものを使います。
フリーハンドなので、かなり凸凹してしまいましたが。大体彫り終わりました。

ただ、もちろんこれだとデザインが全然目立ちませんので、色を付けていきます。
色付けには『アクリル絵の具』の黒を使いました。これも家にあったものです。
果たして、パール貝に対してアクリル絵の具が適しているのか全く分かりませんが。たったこれだけのデザインに色付けをする為だけに専用の塗料を買うのも面倒だったので、使ってしまいました。
ギターを弾いている内に色落ちなどするようだったら、また塗料もしっかり考えてやり直してみたいと思います。
で、色を入れた状態です。

まだこの状態では、文字も凸凹していて、インレイの表面にも細かい傷が多数あります。
リューターの先端に細かいヤスリを付けて磨きます。さらに、最終的には純毛のバフを付けて磨きました。

今回使用したリューターの先端部です。
左から、彫刻に使った『ダイヤモンドビット』、磨きに使った『純毛バフ』と『シリコンバフ』です。
リューターは、本当に便利ですね。
で、ギターの指板に仮留した状態です。

紙上でデザインした時に比べて、何だかバランスが悪くなってしまった上、彫刻も仕上げも雑で凸凹感が残っていますが・・・
まぁ、私にはこれが限界ということで。余裕があれば、あともう少しだけ修正してみたいと思います。
以上で、とりあえずMV-701のインレイ加工は終了とします。
ホントに有り合わせのモノを使っての加工で、しかも、ギターの指板側の『掘り込み』は行っていませんので、全く参考にならないかもしれませんが・・・
ただ、今回の作業で1つだけ分かった確かな情報があるとすれば、『貝は堅い』ということで。切断と整形には、かなりの手間と忍耐が必要だということです。
今回は、四角いインレイの加工だけでしたが、これが複雑なデザインのものを作ると考えると・・・
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Posted by sinya at 23:39
│調整・メンテナンス