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2014年03月04日

お勧め教則本4『地獄のメカニカル・トレーニング・フレーズ』




【sinyaが開発!弾く脳トレ!よなおしギター】


今回お勧めする教則本、かなり今更ではありますが・・・速弾きトレーニングの本といえばこちら!

小林信一 著『地獄のメカニカル・トレーニング・フレーズ』
お勧め教則本4『地獄のメカニカル・トレーニング・フレーズ』


本書の発売が2004年となっていますので、それからおよそ10年が経っていることになりますね。いわゆる『地獄シリーズ』の記念すべき第一号で、これ以後、多くの続編が発売されています。

つまり、10年もの間、ギターリスト達に必要とされ続けているシリーズという事なんですね。

表紙を見て頂くとお分かりの通り、最近の多くの教則本のようにオシャレでセンスの良い感じではありません(失礼)。
ただしその内容は、メカニカル・トレーニングの教則本として非常に優れていると思います。だからこそ、ギターリストが愛して止まないのでしょう。

本書は、全五章で以下のような構成になっています。

第一章 フィンガリングのトレーニング 
第二章 ピッキングのトレーニング
第三章 テクニックのトレーニング
第四章 総合的なトレーニング
第五章 最終練習曲

第一章~第四章には、1つ四小節からなる60のメインフレーズが収録されています。
60のメインフレーズには、そのメインフレーズが弾けない場合の修行用フレーズとして、レベル別に『松・竹・梅』の3つのフレーズが用意されてます。

つまり、本書には全部で240ものフレーズが収録されていることになります。

各メインフレーズに対して修行用フレーズが必ず付いていますので、本書のどこから練習を始めてもある程度は基本から練習することが出来ます。
ただ、第四章と第五章では、総合的なテクニックが必要になりますので、それより前の章で十分にトレーニングを積んだ上で挑戦する方が良いと思います。

構成だけで判断するなら、他のテクニカル・トレーニングの教則本にも同じようなものがあるかもしれません。
ただ、本書が他の教則本と一線を画す理由の1つに、そのユニークさが挙げられます。

まず面白いのが、フレーズ・タイトル。
1番最初のフレーズからして『母なる指板を求めて』と、何とも壮大で素晴らしいタイトル。我々の世代は『大地讃頌』を思い出してグッとくるわけですが、小林氏曰く「指板にはギタリストにとっての夢とロマンが無限に広がっている」とのこと。まさに、言い得て妙。

この他にも、よくこんなタイトルが思い付くな!と感心してしまう、オヤジギャグ的なタイトルがズラリと60も並んでいる訳です。それを見て気になったフレーズを先に練習していくのも、この本の正しい使い方なのかもしれません。

そんなギャグ満載のフレーズ・タイトルの他に、フレーズのレベルを『こん棒』の数で表したり、コラムのことを『地獄の戯れ言』といったり・・・
随所に細かいユーモアが散りばめられているんです。

そんなユーモアあふれるこの本の著者である小林氏も、かなり独特の出で立ちをしています。
お約束の長髪に基本上半身裸、なのにネクタイはしっかり身に付けている紳士。さらに、常に前方より風を受けています。

もう、このルックスが最高な訳です。

このように、著者も本の内容もユニークな点が非常に多いのですが・・・実は、フレーズ自体もその解説の内容も、非常に真面目に書かれています。

全てのメインフレーズに対して、1ページを使って小林氏のかなり丁寧な解説がされています。
ピッキングの仕方や弦の押さえ方はもちろん、理論的なことまで細かく分かりやすい解説は、上手く弾けないギターリストにとって非常に参考になるでしょう。

その中でも、私が勉強になったのは『ノイズが入らないミュート技術』の解説です。

つまり、弾いている弦以外の弦が鳴ってしまうと、それはノイズになってしまい。そのノイズが入ってしまえば、いくら速く弾いても良い演奏とは言えない。速いのに非常に綺麗な音で演奏するプロは、このノイズに対する対策がしっかり出来ているからなんですね。
この辺りの細かい技術については、疎かになってしまいがちですが。実際に演奏してみると、その大切さが嫌というほどよく分かります。

ある程度弾けるギターリストにとっても、もう一度自分の技術を見直すという意味では非常に参考になると思います。

『速弾き』と言われる演奏には、非常にたくさんの技術が必要で、ただ速く弾けば良いという訳でもありませんね。
1にも2にも、まず練習!何回も何回も繰り返し繰り返し練習しなければ、難しいフレーズは絶対に習得することが出来ませんし。当然その練習は、ギター演奏の基礎をしっかり身に付けた上で行わなければなりません。

ただ、そんな苦労や努力でしか突破できないようなテクニカル・トレーニングを、少しでも楽しく出来るように、挫折するギターリストを少しでも減らすことが出来るように、考えられてこの本は作られている感じがします。
つまり、この本も小林氏も『真面目にふざけて』いる訳で。この、『真面目』と『ユーモア』の絶妙のバランスが、この本がここまでギターリストに支持され続けている大きな要因の一つなんだろうと思う訳です。

実は私、『速弾き』は苦手な方で・・・実際、メタル系のギターは、バンドやライブでは一切演奏した経験がありません。さらに、これからも演奏する予定はありません。

ただ、単純に『ギターの演奏技術を上げる』という意味では、本書は非常に役に立つ教則本です。

フィンガリングやピッキングを向上させたいギターリストは、例えメタル系のギターを一生弾かないと決めていても、元祖『地獄のメカニカル・トレーニング・フレーズ』に収録されているフレーズは習得しておくことをお勧めいたします。


私も、頑張って少しですが本書のフレーズを演奏してみました。

まずは、何は無くとも記念すべき最初のフレーズ『母なる指板を求めて~クロマティック1~』。ここから地獄が始まった訳です。
クロマティックなので、それほど難しくはないのですが、弦跳びが苦戦するかもしれません。これでも『左手のウォーミングアップフレーズ』だそうです・・・




ちなみに、本書に付属のCDには、模範演奏に続いて伴奏のみの演奏が流れます。
私は、この本で速弾きの練習以外にも『バッキング(伴奏)』の練習が出来るのではないかと思い、模範演奏の時にバッキングを演奏しています。

四小節の短いフレーズは、仮にそれが綺麗に弾けるようになったとしても、『いつどこで使えるのか』を把握しなければ実際の演奏には使えません。
もしより実践的な意味でこの本を使って練習する場合は、しっかり理論的にフレーズを理解して、どんなキイやコードやコード進行の中で使えるのかをしっかり把握する必要があります。

その為にも、フレーズと同時に伴奏を練習しておくのは非常に有意義な方法だと思います。

次は、クラシカルな雰囲気には必須のハーモニック・マイナー・スケールを使った『1本弦でGO!』。
いわゆる『ネオクラ』と呼ばれる雰囲気を1弦のみで体験できます。しっかりスケールを覚えてから練習することが大切ですね。転調する部分で混乱してしまうかもしれませんが、地道に練習です。




続いて、私の大好きなメジャースケールのフレーズ『メジャーでGO!』です。
同じキイのメジャースケールも、その構成音は指板一面に広がっています。その全部をイメージできるまで練習するのが、私としても理想と考えています。
このフレーズのポジションは初めて弾きましたが、指板上にイメージが出来ていればそれほど難しくありません。逆に言うと、イメージできていないと難しいと思います。
まずは、メジャースケールを指板一面にイメージできるような練習から始めましょう。




上の3つのフレーズは、全て本の第一章に収録されている『こん棒1本(レベル1)』のフレーズです。
一応、第四章からこん棒4本のフレーズもピックアップしてみました。『しな~やかに飛ばして!』です。
ナチュラル・マイナースケールを元にしたフレーズで、やはりフレーズの構成音が指板にイメージできていないと難しいかもしれませんが、実は『メジャースケール=ナチュラル・マイナースケール』ということを知っていれば、問題ありませんね。メジャースケール(ここではGメジャースケール)さえしっかりイメージできていれば、新たにスケールを覚える必要はありません。
このフレーズはその他に、リズムとノイズ対策が難しいです。私もまだまだ、さすがこん棒4本!




今回はフィンガリング・トレーニングばかりを演奏しましたが。次はピッキング、特に『スウィープ』を練習したいです。そしていつかは、総合練習曲『地獄より愛を込めて』に挑戦したと思っています

そうなんです、この本のもう1つの特徴は『チャレンジ精神を刺激される』ところなんです。

最初に書きましたように、第一号が発売されてから10年、内容の素晴らしさとユニークさで、速弾きギターリストにとっての『登竜門』的な存在となった感のある地獄シリーズ。
様々なギターリストが競い合って、自分たちの練習の成果を演奏動画としてアップしています。
そうなれば当然、「自分も頑張るぞ!」となってきますよね。そういった意味では、南澤大介氏の『ソロギターのしらべ』に通じるものがあるのかもれません。

いずれにしても、内容、特に主役であるフレーズのカッコよさがあればこそですが。


今日のお勧め教則本は、こんな方にお勧めです。

〇ギターで速弾きしたい!
〇正確なフィンガリングをマスターしたい!
〇正確なピッキングをマスターしたい!
〇チャレンジャー!
〇地獄を体験したい・・・

そんなギターリストの方、こちらをどうぞ!
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お勧め教則本4『地獄のメカニカル・トレーニング・フレーズ』


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Posted by sinya at 23:27 │お勧め教則本