↓こちらもチェック! ウクレレ独学応援
↓こちらもチェック! ===============
Information
静岡県東部・伊豆 ブログポータルサイト イーラ・パーク
 

スポンサーサイト





上記の広告は30日以上更新(記事投稿)のないブログに表示されています。  

Posted by スポンサーサイト at

2018年10月03日

第二ポジションの練習にも使える!~音程が合わないを解決する二胡棒(改)~




【sinyaが開発!弾く脳トレ!よなおしギター】


私は、自分も含め『押さえる場所が分からない』に悩む二胡初心者を救済するため、二胡棒を作りました。

【まだの方は先にこちらの記事をお読みください!⇒】「押さえる場所が分からない!」を解決~二胡の効率的な練習方法1~


当初は、二胡を始めたばかりの方を対象にしていたので、二胡棒では『第一ポジション』までの練習ができれば十分だと思っていたんです。

ところが...

私自身、二胡棒のお陰で第一ポジションがある程度クリヤーでき、いよいよ第二ポジションの練習となった時に『どひゃー!』となった訳です。

第二ポジションも音が合わね~!

この難しさ第一ポジションの比じゃね~!


という訳で、以前も記事にしたように、ここでもう一度二胡棒の助けを借りたのですが...

ある問題が発生しました!


【二胡棒はいろいろなことを教えてくれます】二胡棒の驚くべき効果!~音程が合わない!を解決する方法~



二胡棒の問題


二胡を真横から見ると、弦が千斤に向けてテーパーしているのが分かります。つまり、部分に比べて千斤部分の方が棹と弦の幅が狭くなっているんです。




一方。二胡棒は、ただ2本のまっすぐな棒をくっ付けただけですから、弦の役目の棒も棹の役目の棒もずっと平行になっています。




これでは、特に第二ポジションの位置では実際の二胡の弾き心地との差に違和感が出てしまいますね。

せっかく二胡棒で第二ポジションの練習をしても、その感覚を実際の二胡に応用できないのは大問題!

この問題を解決するため、新しい二胡棒、その名も

『二胡棒(改)』

を作りました!


二胡棒(改)の作り方


二胡棒(改)を見てください!




ちゃんと弦の棒がテーパーしていますね。

このテーパー角度が自分の使っている二胡と全く同じなんです。その為、これで『第二ポジション』まで練習してもほぼ違和感はありません。

作り方は、旧二胡棒よりも少しだけ手間ですが、その効果を考えれば絶対に作って損はありません!

『音程が合わない』で悩んでいる方はぜひ挑戦してみて下さい。


【手順1】準備するもの


材料
・米ヒバ丸棒 直径18~20mm×長さ600mm
・米ヒバ丸棒 直径15mm×長さ600mm

その他必要なもの
・ビニールテープ
・裁縫用メジャー
・赤と黒のボールペン
・鉛筆と消しゴム
・定規


二胡の棹(さお)、ギターでいうネック部分は木で出来ています。なるべく違和感が無いよう、二胡棒も木で作ります。

棹の役目となる棒は直径18~20mm、弦の役目となる棒は15mmが良いでしょう。※15mmよりも細い棒はしなって曲がってしまう恐れがあります



20mmの棒(画像上)が、15mmの棒(画像下)がの代わりとなります。


【手順2】千斤高を決める


『千斤高』は、私が提唱する二胡の音程にとって大切な定義です。

普段はあまり意識することはないかもしれませんが、千斤高が自分にフィットすると楽に音程を合わせることが出来ます。

必ずあなたに合った千斤高を決めてください。

その上で、手順1で準備する2本の棒の直径の合計が千斤高の値よりも数ミリ少なくなるようにします。

例)
妻の二胡の千斤高は40mmでしたので、2本の棒の直径の合計が35mm(棹の棒が直径20mm、弦の棒が直径15mm)になるように木を選定しました。

【音程に関わる重要な『千斤高』の測り方】あなたに合ったベストな千斤の高さを決めよう!~千斤高という新しい定義~



【手順3】弦長を決める


二胡にとって『千斤の位置』、つまり『弦長』は音程そのものと言ってよいでしょう。

正確な音程で二胡を演奏するために、非常に大切な値です。

その為、絶対にこれまでのような曖昧な決め方をしてはいけません。ぜひ、以前の記事を参考にあなたにしっかり合った弦長を決定してください!

【音程を合わせるのに最も大切な値『弦長』の決め方】究極の千斤の位置の決め方~もう曖昧な弦長の決め方は止めよう!~


【手順4】採寸


さてここから、二胡棒(改)を作るために自分の二胡の採寸をしていきます。必要な寸法は以下の3つです。

①、胴体底面から駒までの長さ

②、駒から胴体上部まの長さ

③、棹の根本から弦までの高さ



実際に測っている様子です。

①の胴体底面から駒までの採寸



②の駒から胴体上部までの長さ



③の棹の根元から弦までの高さ



私の採寸の結果は以下のようになりました。(寸法は妻の二胡のものです)

①、65mm

②、45mm

③、55mm



【手順5】二胡棒に印をつける


二胡棒の心臓部『印(しるし)』を付けます。

つまり、ギターでいう『フレット打ち』ということになりますが、ここで12平均律の理論が適用されるわけです。

1、手順4で採寸した<①胴体底面から駒までの長さ>を用いて15mm丸棒に駒の位置を赤線で記入(棒の先端を胴体底面に見立てる)

2、手順3で決めた『弦長』を用いて1で記入した赤線から測り千斤の位置を赤線で記入

3、手順4で採寸した<②駒から胴体上部までの長さ>を用いて1で記入した駒位置の赤線から測り赤線で記入

4、メジャーの『0』を駒の赤線に合わせてセロテープで棒に固定

5、1フレットから24フレットまでのフレット位置を計算

6、5で計算したフレット位置を黒ペンで記入していく


駒の位置を赤線で記入


千斤の位置に赤線を記入


駒の赤線に『0』を合わせてメジャーを固定


フレット位置を記入



手順は以上になりますが、問題は5のフレット位置の計算ですね。

今回も簡単にフレット位置を算出するため、DGB Studio様のサイトに掲載されている『フレット位置計算』を使いました。

【DGB Studio様サイト】フレット位置計算

※TOPページのメニューより『フレット計算』をクリック⇒メニューより『ブリッジから』を選択するとフレット位置計算ができるページに移動できます。


リンク先のページ上部『スケールの半分を入力』という部分に手順3で決めた『弦長』の半分の値を入力し、『計算』を押すと一気にフレット位置が算出されます!

本当に便利ですね!

妻の二胡の弦長355mmのフレット位置計算結果です



右下の『Scale』が決めた弦長と同じ値になっていることを確認してください。

実際にフレットを記入する時には小数点第二位を四捨五入し記入しました。

二胡棒(改)では、フレット『No24』まで記入しました。

棒に記入する際にいつでも計算結果が見られるよう、また、自分の二胡の状態を記録するためにもフレット位置の計算結果をメモするか撮影して取っておくとよいですね。


【手順6】2本の棒をくっつける


ここまで準備してきた2本の棒をくっつける作業です。二胡棒(改)にとって非常に重要な作業となります。

1、棹の代わりとなる方の棒を550mm程度の長さに切る

2、切り落とした短い木をさらに20mm程度の長さに切る



3、棹の棒と弦の棒の間に2で切った20mmの木を挟む



4、千斤部分の幅が手順2で決めた千斤高の値と一致し(図のa)、さらに手順4で採寸した<②駒から胴体上部まの長さ>に合わせて付けた赤線部分の幅が手順4で採寸した<③棹の根元から弦までの高さ>の値と一致(図のb)するように各棒を動かし調節する



5、4の全ての値が一致した状態で棒の両端をビニールテープでぐるぐる巻きにして固定



これで、二胡棒(改)の完成です!


二胡棒(改)は、弦の棒のテーパー角度が最も重要になります。この角度をご自身の二胡と同じにする必要があるわけですが、その重要な手順6の4の説明をかなり簡素に書いてしまいました。

この部分は、挟む短い棒の位置や長さを変えたり、弦の棒を前後にずらしたりして、ご自身の二胡と同じ角度になるように試行錯誤してみて下さい。


二胡棒を使った練習方法


さぁ、では完成した自分だけの『二胡棒(改)』を使って練習しましょう!

やり方は、二胡を弾く時と同じです。二胡棒の琴碼側を下にして左足の付け根に乗せます。もちろん、左手は二胡の弦を押さえるのと同じポジションで練習しましょう。右手は使いませんが、弓を動かすしぐさをすると雰囲気が出ます。

注意点は、フレットが『半音刻み』になっているということ。

12平均律はもともと『1オクターブを12個の半音に区切った』ものですから、その理論で区切られたフレットは半音刻みになるわけです。

ですから、例えば、<D調のレ>、楽譜では『2』になりますが、そこを押さえる時には千斤位置の赤線から2つ目のフレットを押さえることになります。

D調<2><3><4>を人差し指、中指、薬指で押さえているところ



また、文字を鉛筆で記入することで、練習したい内容によって書き換えることができます。ご自身のレベルに合わせてさまざまなパターンの練習が可能となります。

G調の楽譜読み練習用に数字を記入


※画像は旧二胡棒のものです

【二胡棒は音が出るようになってからも大活躍!⇒】二胡棒の驚くべき効果!~音程が合わない!を解決する方法~


【二胡棒を作る本当の意味】


いかがでしょう。二胡棒は『押さえる場所が分からない』という方にとって便利なアイテムになると思うんです。

もちろん、慣れるまでは違和感があると思いますが、明確な『印』があるとやはり運指が非常に分かりやすいですね。


そして、実はこの二胡棒を作って練習するという一連の作業には、『押さえる場所を覚える』ということ以外に非常に大切な意味があるんです。

それは、楽器の構造を理解すること。言い方を変えれば....


自分の二胡を知る


ということ。

もしこの記事を読んでいらっしゃる方で二胡を持っている方は、ご自身の二胡の弦長が何ミリになるのか考えてみて下さい。

これは私の想像ですが、ある程度の経験者でも自分の二胡の弦長が何ミリなのか知らない方は多いのではないでしょうか?

二胡棒を作る作業は、さまざまなことを教えてくれます。

自分の二胡の弦長、千斤高、押さえる場所のミリ単位の位置、二胡の各部位の名称、12平均律の並び、メジャースケールの不規則性、半音の位置、それらすべてを含めた『二胡が音程を変えるための構造』を1,000円程度のコストと30分~1時間程度の作業で誰でも手に入れることが出来るんです。

もし今あなたが二胡を始めたばかりだとしても、二胡棒を完成させた時点で『二胡が音程を変えるための構造』に関しては上級者並みの知識を得たと思ってよいでしょう。

また大袈裟なことを言ってる!と思うかもしれませんが、もし近くに二胡の上級者がいらっしゃったら、上記のことを質問してすぐに答えられるか試してみて下さい。

これも私の想像ですが、自分の楽器のことに詳しいであろう上級者でも全てを答えられる人はそう多くない気がします。

それなら『音程を変えるための構造を知らなくても上級者になれるんだから知る必要はない!』と思うかもしれませんが、それは半分当たっていて半分間違っています。

そういった上級者がなぜ上級者になれたかというと、知識量を凌駕するほどの練習量をこなしたからです。

もしあなたが上級者がやってきたほどの練習量をこなす自信があるのなら、二胡棒は作らなくてもよいし、音程を変える構造を覚えなくてもOKです。

でも、例えばある程度の年齢になってから難しい二胡を始める場合、やはり効率的な練習方法も考慮する必要があるように思います。

せっかく二胡の演奏に憧れて始めたことですから、なるべく効率的に挫折の無いように進めていけたらいいな~と思います。


☆二胡を弾いてみた!二胡関連記事
二胡を練習して分かったこと~度数で音楽理論を学ぶことの利点~
二胡の新しい練習方法を考えてみる~ピアノ経験者向け~
『固定ド』と『移動ド』の違いについて~日本のピアノ学習の失敗~
「押さえる場所が分からない!」を解決~二胡の効率的な練習方法を考える1~
二胡の練習用ツール『二胡棒』を作ろう!~二胡の効率的な練習方法2
二胡棒の驚くべき効果!~音程が合わない!を解決する方法~
あなたに合ったベストな千斤の高さを決めよう!~千斤高という新しい定義~
究極の千斤の位置の決め方~もう曖昧な弦長の決め方は止めよう!~










【初心者・独学ギターリストの強い味方】とにかくギターを弾きたいという方へおすすめの教材です!



  


Posted by sinya at 09:00二胡