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2013年05月30日

ブリッジピンの交換




【sinyaが開発!弾く脳トレ!よなおしギター】


先日ご紹介した、ASTURIAS『ソロスタンダードC』は、弾き易さを追求して造られたモデルです。

ですから、弦高も購入時点で既にスゴク低かったんです。

メーカーから出荷される段階で、弦高が以下のように調整されています。

☆1弦の12フレット = <1.8mm> 

☆6弦の12フレット = <2.3mm>


この弦高は、もうギリギリの値だと思います。6弦なんてもう少し低かったら、弾いた時に弦がフレットに当たって『ビリビリビリビリ』と不快な音が鳴ってしまうでしょう。
そうなったら、演奏になりませんね。

という訳で。ソロスタンダードは、購入後の弦高調整を行っていません。

さらに、一番簡単な弦高の調節方法は、以前『APX700Ⅱ』を調整する時に行った、サドルを削る方法となりますが。ソロスタンダードのサドルは、一般的なサドルとはちょっと違った形をしています。

下の画像のように、ソロスタンダードのサドル(下)は、一般のサドル(上)より長くなっていますね。もちろん、サドルをはめ込むブリッジ部分も、このサドルに対応した形になっているんです。

ブリッジピンの交換


なので、素人が弦高調整をするのは、ちょっとハードルが高いということになります。

ソロスタンダードの弦高調節は、基本的に必要ありません。が、もし弦高調整をする場合は、やはりメーカーに送ってやってもらうのが一番確かな方法だと思います。

このように、ASTURIAS『ソロスタンダードC』は、メーカー出荷時点で弾き易さの点では出来上がっているギターであると言えます。


とは言いましても。自分のギターを、本当に自分の物にしたいという欲求は、なかなか押さえられません。
カスタマイズ欲求ですね。

そこで、アコースティックギターの音に関する調整方法で『最も簡単かつ効果が大きい方法』を、ソロスタンダードに試してみたんです。

それが『ブリッジピンの交換』です。

私的には、ギターの音に関する調整方法でもっとも効果があるのが『弦の張り替え』だと思っています。もちろん、ギター本体がある程度はしっかり造られているということが前提となりますが。
弦を変えることによる音の変化は、私の素人レベルの耳でも、十分に聴き取ることが出来ます。

ただし、この『弦の張り替え』って、結構面倒で時間の掛かる作業ですよね。

一方『ブリッジピンの交換』は、ものの5分ほどで出来てしまいます。しかも、その方法もいたって簡単なんです。

では、その気になる『ブリッジピン』について、少し解説します。


まず、『ブリッジピン』とは、ギターの弦を止める為のピンです。これがなければ、どんなに精巧で高級なギターでも、音を鳴らすどころか、弦を張ることすら出来ません。(ブリッジピンを使わずに弦を止めるギターもありますが)
しかも、この小さなピンが、弦の振動をブリッジを介してギターの表板に伝えるという、非常に大切な役目も果たしています。

ブリッジピンの交換


これは、車に例えると、タイヤを止めるボルトといってもよいかもしれません。

車のタイヤを止めるボルトは、それが無ければ絶対に車を走らせることは出来ませんね。その上、エンジンからの力をタイヤに伝える大切な役目も担っています。なのに、ボルトの脱着作業は、素人レベルでも出来る簡単な作業となります。

そんな、アコースティックギターにとって、非常に大切な『ブリッジピン』を、もともと付いている物から別の物に変更してしまおうという訳です。

何故そんなことをするかと言いますと、実は『ブリッジピンの素材と形』によって、ギターの音色がかなり変わるからなんです。

例えば、ブリッジピンの素材には、『プラスチック』『タスク(人工象牙)』『水牛』『象牙』『木(エボニー・ローズウッドなど)』『真鍮(ブラス)』などたくさんありますが。基本的には『硬い素材ほど高音が強調される』と考えていいようです。

なるほど、私は使ったことありませんが、真鍮製のブリッジピンを使ったら『シャッキーン!』て音がしそうですよね。イメージですが・・・。

で、この数ある素材(音色)の中から、自分のギターの今の音の状態を加味して、結果的にどんな音にしたいのかを考えて『ブリッジピン』を選ぶ作業をする訳ですが。これが、非常に楽しいんですね。

もし仮に『ブリッジピン』を変えても思うような音色が得られなかった場合、まぁ要するに、失敗した場合、簡単に付け替えが出来ますから。しかも、値段も(素材によりますが)だいたい1,500円ほどですので、ダメージが少ないんです。

ですから、何種類も素材を試してみて、一番自分の希望に合ったものをチョイスする方法も、十分に可能なんです。


さて、それでは、私のブリッジピンの交換のお話をします。

まず、私がソロスタンダードに求めた音色は『高音がもう少し欲しいけど温か味のある音は失いたくない。さらに、音量がもう少し欲しい』です。

贅沢ですね・・・

そこで、私が選んだブリッジピンの素材は『エボニー』です。

『エボニー』は木ですが、木の中では硬質になります。なので『木の温か味がありつつ、その中でも硬い音が出る』と考えたのです。

私のソロスタンダードCの表板は『シダー(杉)』です。恐らく、表板がスプルースのギターに比べると、高音がそれほど目立たないと思います。なので、ソロスタンダードを演奏していて『もう少し高音が欲しい』と思ったことがありますが、それでも、この温かい音はやはり『シダー』特有のものなので、絶対に失いたくない。

非常に贅沢な悩みですが。その悩みを解決するべく、一か八か『エボニー製のブリッジピン』をソロスタンダードに付けてみたんです。

付け方は簡単です。
ブリッジピンは、弦の張り替えの時に必ず外しますので、その時についでに変えてしまうのが一番良いと思います。ですが、弦を張ったままでも、ブリッジピンが抜ける程度に弦を緩めてしまえば、簡単に交換することが出来ます。

で、こんな状態になりました。

ブリッジピンの交換


白いブリッジピンより、見た目が渋くて非常に気に入っています。

で、チューニングをして鳴らしてみますと・・・何と!音色がかなり変わった!

まず感じたのが、音量が大きくなったこと。これは、ブリッジピン本体の長さにも関係あるようです。
私が新しく付けたブリッジピンは、もともと付いていた物よりも、5mmほど『短く』なっています。この『短さ』が音色に非常に影響を与えるようです。

左(エボニー製ブリッジピン) 右(もともとのブリッジピン)
ブリッジピンの交換


そして、温かい音なのに高音が出ること。
これは、錯覚なのでしょうか?でも、明らかに高音が目立って聴こえるんです。

正に、私が望んでいた『高音がもう少し欲しいけど温か味のある音は失いたくない。さらに、音量がもう少し欲しい』という希望通りの音になったんです。

初めての『ブリッジピンの交換』で、ここまで思い通りの効果が出るとは、正直驚きました。

今後も、イロイロな素材のブリッジピンを試してみたいのですが、今の『エボニー製のブリッジピン』があまりにもハマリ過ぎているので、しばらくはこのままにしておきたいと思います。

『ソロスタンダードC』が、より、弾いていて楽しいギターになりました。

このように、『ブリッジピンの交換』ほど、簡単でしかも効果が高いアコギの調整方法は、他には無いと思います。しかも、リーズナブル!

もし興味のある方は、次の弦張り替えの時にでも、挑戦してみてください。


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