2013年01月20日
ピタゴラス音階
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今回の記事はちょっと小難しいので、算数が苦手な方はスッ飛ばしてください。逆に、算数がメチャ得意な人や音律に詳しい方もスッ飛ばしてください。突っ込まれると怖いので・・・。
私は算数が得意という訳ではないので、『もしレッスンで質問されたら、何とか分かりやすく答えることが出来るように』とイロイロ調べ頭を悩ませ、何とか自分なりに解釈してまとめた事を書きます。
難しいことは直ぐに忘れてしまうので、記事にしておこうという訳です。
『ピタゴラス音階』という音階についてです。
ピタゴラスさんは、そうあのピタゴラスの定理で有名な数学者です。紀元前582年~紀元前496年という生涯らしいのですが。紀元前のことなので、生きた年数を表すのに年数が小さくなっていくところがもう既にややこしい訳です。
で、音楽のブログになぜこの人が出てくるかといえば、実は、最初に『音階』を作った人と言われているからです。
まぁ簡単に言えば、最初に『ドレミファソラシド』を作った人ということです。
では、ピタゴラスさんがどうやって『ドレミファソラシド』を作ったか、ガンバッテ解説してみます。
まずはじめに、ピタゴラス以前に発見されていたと言われる音の説明からはじめます。
ブログの記事『神の音程』でも書きましたが、弦楽器の始まりは弓に張った弦だと言われています。
はじめは、単純に弦をボンボンと鳴らして遊んでいたんだと思います。そしてある時、『弦のイロイロな場所を押さえて鳴らすとイロイロな音が出るよ!』ということに気が付きました。多分。
で、そのイロイロな音にも2種類ありました。『気持ちの良い音』と『気持ちの悪い音』です。
この気持ちが良いか悪いかの判断は、何も押さえないで鳴らした『元の弦の音』が基準になります。これが重要です。
元の弦の音を鳴らした直後に、イロイロな音を出してみる。すると明らかに、元の音の余韻に対して気持ちの良く感じる音と悪く感じる音が存在することが分かったんです。
弓で狩をしたり戦いをしたり、あるいは踊りも踊ったかもしれません。そんな時に鳴らすメロディーは、当然『気持ちの良い音』で作りたいですよね。
という訳で、いつでも同じ良い音が出せるように弦に『印』を付けていったことでしょう。
その『印』は、弦の長さを1とした時の、<3/4><2/3><1/2>の場所に付けられました。
こういう表記の仕方だと、算数が苦手な人間にはとても分かり難い。分数は、ややこしいので嫌いです。なので、元の弦の長さを<120cm>にしちゃいます。この長さなら、弓の弦としても十分あり得る長さです。
こうすると、付けた『印』の場所は下の画像のようになります。
さて、ここまでがピタゴラス以前に発見されていたであろう音のお話です。実際に<120cm>の弓を使っていた人がいたとすれば、上の図の②~④の場所に印を付けたことになります。で、元の音(弦を何も押さえないで鳴らした音)①を含め、この4つの音で音楽を奏でていたかもしれないと言われています。
(ちなみに、元の弦の音①を『ド』とすると②は『ファ』、③は『ソ』、④は高い方の『ド』になります。)
さて、ここからがピタゴラスさんが考えた音階のお話です。当然、ピタゴラスさんと私とでは、頭の作りが余りにも違うので。ここでは、私なりに『レッスンで質問されても分かりやすく解説できるように』解釈したことを書きます。
実は、上の図の①と④は1オクターブの関係にあります。仮に①が『ド』の音なら④は高い方の『ド』ということです。
ですから、この2音は同じ音なので、気持ち良い音なのは当然なんです。で、この2音以外で最も良い音と言われているのが③の音、元の弦の長さの<2/3>の場所にある音で、①に対してとても良い響きがしたので『神の音程』と言われた音です。
でも、見て下さい。もし②の長さを『元の弦の長さ』と考えると、下の図のようになります。
ご覧のように、②を元の弦の長さと考えると、④の長さは60cmなので <90cmの2/3> になる訳です。
どういう事かと言うと、②を元の音と考えると④の音が『神の音程』になるということです。
ピタゴラスは思いました「なんだ、昔の人が発見した音は<2/3>の音の寄せ集めじゃん!」と。
そして考える訳です、「<2/3>の音を出来るだけたくさん集めれば、もっと綺麗で複雑な曲が作れるじゃん!」と。
※このピタゴラスは、私の脳内にいるピタゴラスなので、実際に「じゃん!」と言ったかどうかは分かりません。
で、やってみました。<2/3>の寄せ集めです。
まず考えられるのが、今度は③の長さの<2/3>ですね。これは私でも思い付きそうです。
ハイ!出ました!新しい音⑤の登場です。これが、ドレミファソラシドでいうと『レ』になります。
で、この新しい音は1オクターブ(①~④)から外れてしまいますね。ですから、実際には1オクターブ低くして、全部1オクターブ内に収めてしまおうという訳です。
1オクターブ下げるのはとっても簡単、長さを2倍にするだけですからね(一番上の図参照)。
実は、ここからはもう割り切れなくなりますので、長さは書きません。
でも実際には、ヒモ状のものを正確に三等分する方法が分かれば、『印』は付けられる訳です。
さて、次からは画像無しで説明しますが、大丈夫でしょうか?
今度は、新しい⑤の長さを元の長さと考えます。その<2/3>の場所に当たるのが『ラ』の音です。
次に、その『ラ』の長さを元の長さと考えます。その<2/3>の場所に当たるのが『ミ』の音です。ただし、この算出方法だと『ミ』は1オクターブから外れてしまいますので、やはり長さを2倍にして1オクターブ下げます。
いよいよ最後です。『ミ』の長さを元の長さと考えます。その<2/3>の場所に当たるのが『シ』です。
お疲れ様でした、これで『ドレミファソラシド』が出揃いました。1オクターブ内にこれだけ音が見つかれば、ピタゴラスといえど「もう終わりでイイよね」と諦めることでしょう。
こうしてピタゴラスは、何と<2/3>という比率だけを用いて音階を作ってしまったんです。さすがです。
物事はシンプルなものほど良いですよね。この『ピタゴラス音階』も、実はとてもよくできた音階で、一時期は盛んに使われていたようなんですが・・・。
それでも弱点がありました。<2/3>いわゆる『神の音程』と言われる『ド』に対しての『ソ』のことしか考えていなかったことが災いし、例えば『ド』に対しての『ミ』の響きがあまり良くなかったんです。
『ド』と『ミ』といえば、コードを使う今の音楽ではとても重要な音程ですね。
コードの概念が出てきて、音楽が近代化していくと、『ピタゴラス音階』は使われなくなっていったんです。
でも、数学者が音階を考えた功績はとても大きいと思います。ピタゴラスさんありがとうございました。
で、ピタゴラスさんは、やっぱり音楽が好きだったんですか?
ちなみに、ヒモを正確に三等分する方法はイロイロあるみたいですが。『角の二等分線の定理』という定理を使って三等分する方法もあるみたいです。
なんか、よく分からないのですが、ピタゴラスさんなら直ぐ出来そう・・・・。
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難しいことは直ぐに忘れてしまうので、記事にしておこうという訳です。
『ピタゴラス音階』という音階についてです。
ピタゴラスさんは、そうあのピタゴラスの定理で有名な数学者です。紀元前582年~紀元前496年という生涯らしいのですが。紀元前のことなので、生きた年数を表すのに年数が小さくなっていくところがもう既にややこしい訳です。
で、音楽のブログになぜこの人が出てくるかといえば、実は、最初に『音階』を作った人と言われているからです。
まぁ簡単に言えば、最初に『ドレミファソラシド』を作った人ということです。
では、ピタゴラスさんがどうやって『ドレミファソラシド』を作ったか、ガンバッテ解説してみます。
まずはじめに、ピタゴラス以前に発見されていたと言われる音の説明からはじめます。
ブログの記事『神の音程』でも書きましたが、弦楽器の始まりは弓に張った弦だと言われています。
はじめは、単純に弦をボンボンと鳴らして遊んでいたんだと思います。そしてある時、『弦のイロイロな場所を押さえて鳴らすとイロイロな音が出るよ!』ということに気が付きました。多分。
で、そのイロイロな音にも2種類ありました。『気持ちの良い音』と『気持ちの悪い音』です。
この気持ちが良いか悪いかの判断は、何も押さえないで鳴らした『元の弦の音』が基準になります。これが重要です。
元の弦の音を鳴らした直後に、イロイロな音を出してみる。すると明らかに、元の音の余韻に対して気持ちの良く感じる音と悪く感じる音が存在することが分かったんです。
弓で狩をしたり戦いをしたり、あるいは踊りも踊ったかもしれません。そんな時に鳴らすメロディーは、当然『気持ちの良い音』で作りたいですよね。
という訳で、いつでも同じ良い音が出せるように弦に『印』を付けていったことでしょう。
その『印』は、弦の長さを1とした時の、<3/4><2/3><1/2>の場所に付けられました。
こういう表記の仕方だと、算数が苦手な人間にはとても分かり難い。分数は、ややこしいので嫌いです。なので、元の弦の長さを<120cm>にしちゃいます。この長さなら、弓の弦としても十分あり得る長さです。
こうすると、付けた『印』の場所は下の画像のようになります。
さて、ここまでがピタゴラス以前に発見されていたであろう音のお話です。実際に<120cm>の弓を使っていた人がいたとすれば、上の図の②~④の場所に印を付けたことになります。で、元の音(弦を何も押さえないで鳴らした音)①を含め、この4つの音で音楽を奏でていたかもしれないと言われています。
(ちなみに、元の弦の音①を『ド』とすると②は『ファ』、③は『ソ』、④は高い方の『ド』になります。)
さて、ここからがピタゴラスさんが考えた音階のお話です。当然、ピタゴラスさんと私とでは、頭の作りが余りにも違うので。ここでは、私なりに『レッスンで質問されても分かりやすく解説できるように』解釈したことを書きます。
実は、上の図の①と④は1オクターブの関係にあります。仮に①が『ド』の音なら④は高い方の『ド』ということです。
ですから、この2音は同じ音なので、気持ち良い音なのは当然なんです。で、この2音以外で最も良い音と言われているのが③の音、元の弦の長さの<2/3>の場所にある音で、①に対してとても良い響きがしたので『神の音程』と言われた音です。
でも、見て下さい。もし②の長さを『元の弦の長さ』と考えると、下の図のようになります。
ご覧のように、②を元の弦の長さと考えると、④の長さは60cmなので <90cmの2/3> になる訳です。
どういう事かと言うと、②を元の音と考えると④の音が『神の音程』になるということです。
ピタゴラスは思いました「なんだ、昔の人が発見した音は<2/3>の音の寄せ集めじゃん!」と。
そして考える訳です、「<2/3>の音を出来るだけたくさん集めれば、もっと綺麗で複雑な曲が作れるじゃん!」と。
※このピタゴラスは、私の脳内にいるピタゴラスなので、実際に「じゃん!」と言ったかどうかは分かりません。
で、やってみました。<2/3>の寄せ集めです。
まず考えられるのが、今度は③の長さの<2/3>ですね。これは私でも思い付きそうです。
ハイ!出ました!新しい音⑤の登場です。これが、ドレミファソラシドでいうと『レ』になります。
で、この新しい音は1オクターブ(①~④)から外れてしまいますね。ですから、実際には1オクターブ低くして、全部1オクターブ内に収めてしまおうという訳です。
1オクターブ下げるのはとっても簡単、長さを2倍にするだけですからね(一番上の図参照)。
実は、ここからはもう割り切れなくなりますので、長さは書きません。
でも実際には、ヒモ状のものを正確に三等分する方法が分かれば、『印』は付けられる訳です。
さて、次からは画像無しで説明しますが、大丈夫でしょうか?
今度は、新しい⑤の長さを元の長さと考えます。その<2/3>の場所に当たるのが『ラ』の音です。
次に、その『ラ』の長さを元の長さと考えます。その<2/3>の場所に当たるのが『ミ』の音です。ただし、この算出方法だと『ミ』は1オクターブから外れてしまいますので、やはり長さを2倍にして1オクターブ下げます。
いよいよ最後です。『ミ』の長さを元の長さと考えます。その<2/3>の場所に当たるのが『シ』です。
お疲れ様でした、これで『ドレミファソラシド』が出揃いました。1オクターブ内にこれだけ音が見つかれば、ピタゴラスといえど「もう終わりでイイよね」と諦めることでしょう。
こうしてピタゴラスは、何と<2/3>という比率だけを用いて音階を作ってしまったんです。さすがです。
物事はシンプルなものほど良いですよね。この『ピタゴラス音階』も、実はとてもよくできた音階で、一時期は盛んに使われていたようなんですが・・・。
それでも弱点がありました。<2/3>いわゆる『神の音程』と言われる『ド』に対しての『ソ』のことしか考えていなかったことが災いし、例えば『ド』に対しての『ミ』の響きがあまり良くなかったんです。
『ド』と『ミ』といえば、コードを使う今の音楽ではとても重要な音程ですね。
コードの概念が出てきて、音楽が近代化していくと、『ピタゴラス音階』は使われなくなっていったんです。
でも、数学者が音階を考えた功績はとても大きいと思います。ピタゴラスさんありがとうございました。
で、ピタゴラスさんは、やっぱり音楽が好きだったんですか?
ちなみに、ヒモを正確に三等分する方法はイロイロあるみたいですが。『角の二等分線の定理』という定理を使って三等分する方法もあるみたいです。
なんか、よく分からないのですが、ピタゴラスさんなら直ぐ出来そう・・・・。
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Posted by sinya at 22:39
│音楽理論