2013年01月22日
そして、平均律へ~12平均律での弦長の計算方法~
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初めての音階と言われる『ピタゴラス音階(音律)』も、その短所を補ったように思える『純正律』も、最終的には主流とはなりませんでした。
だからと言って、これらの音律が失敗作だった訳ではありません。
例えば、実際に『純正律』で演奏されたコードを聞くと、とても優しい音なんです。癒されるというか、ホッとするというか。ギターで綺麗なバラードを演奏する時にこの響きが出せたら、そりゃあ素晴らしいことだと思います。
それでも、今の音楽で使われている音律はそのほとんどが『12平均律』と言われるものです。
今回は、その『12平均律』がどんな音律で、どのように作られていったのか、見ていきましょう。
これまで2回に渡って見てきた音律は、『響きが良い音を基準』にして作られていきました。
【関連記事】
・ピタゴラス音階
・純正律
その基準となるいくつかの音とは、大昔の人たちが『気持ちイイ!』という感覚をもとに探していった音。
『ド』を元にするなら、<ド><ファ><ソ><高いド>です。
【昔々の音の発見のお話⇒】・弦楽器の始まり~神の音程~
それらの音が互いに良い響きを作り上げていることに着目し、ピタゴラス音階や純正律は、いわば『良い響きを集めて』完成されました。
そうすると当然、<ド><ファ><ソ><高いド>の音を元にした響きならば調子が良い訳です。ただ......
いったん基準から外れると、とたんに響きが崩れてしまう。
音楽が発展していき、複雑なコード、頻繁な転調が使われるようになると、演奏に向かなくなっていったんですね。
そこで、『響きが良い音を基準』にして作られた音律の短所を補う為に『どの音も基準にしない』という考えで生まれたのが12平均律です。
基準があるから、その基準から外れると悪くなる。だったら、始めから基準を作らなければ良い、という訳です。
12平均律を作る時に必要なのはものは1つだけです。
『弦の長さ』
それだけです。もう少し詳しく説明すると、ギターでいうナット~サドルまでの長さに当たる『弦長』ですね。
つまり、12平均律で基準となるのは『弦長』だけなんですね。
それではまた、120cmの弦で説明します。
長さが<120cm>の弦で、何も押さえないで鳴らした音の1オクターブ上の音を出すには、半分の<60cm>のところを押さえる必要があります。
『12平均律』ではこの<60cm>の長さを
『均等な割合で12個に区切る』
ことになります。

この『均等』という言葉がまたややこしいんです。
これは、同じ長さで区切る(等分)ということではありません。現に、この音律で作られているギターのフレットは、フレット数が大きくなるにつれ段々フレット幅が狭くなってきますよね。
これは、均等な割合で段々狭くなっているんです。
ギターでは1フレットで半音になりますから、半音が出るまでの距離が高くなるにつれ均等な割合で短くなっていくということになりますね。
で、その割合が『約94.387%』です。
つまり、音が高くなるにつれ、約94.387%ずつ次の半音が出るまでの距離が短くなっていくんですね。
これは、実施に計算していった方が分かりやすいでしょう。
120cmの弦の場合、何も押さえないで鳴らした音『ド』の半音上、つまり『#ド』が出る長さは
<120cmの94.387%>
すなわち
<120×0.94387>
で
約<113.2644cm>
の場所になります。
同じように、次の半音『レ』が出る長さは
『ド♯』の出る長さ<113.2644cm>の<94.387%>
なので
<113.2644×0.94387>
で
約<106.90687cm>
になります。
以下に12回<0.94387>を掛けた結果を載せます。
※120cmの弦を押さえないで鳴る音を『ド』とする
※小数点第6位を四捨五入
『ド』 ⇒120cm
『ド♯』 ⇒113.2644cm
『レ』 ⇒106.90687cm
『レ♯』 ⇒100.90619cm
『ミ』 ⇒95.24232cm
『ファ』 ⇒89.89637cm
『ファ♯』⇒84.85049cm
『ソ』 ⇒80.08783cm
『ソ♯』 ⇒75.5925cm
『ラ』 ⇒71.34949cm
『ラ♯』 ⇒67.34465cm
『シ』 ⇒63.56459cm
『高いド』⇒59.99671cm
<0.94387>を掛けていくと、1オクターブ上の音『高いド』が出る長さは59.99671cmで元の弦の長さのほぼ半分になりますよね。
ピタゴラス音階や純正律とも、この1オクターブの場所は半分で同じな値になる訳です。
上記の計算方法は、もちろん、元の弦の長さが何センチでも適用できます。
例えば、元の弦の長さが40cmなら、<40×0.94387>をはじめに行ない、出た答えにどんどん<0.94387>を全部で12回掛けていけばよいわけです。
これが『均等な割合で12個に区切る』ということなんです。
☆外部リンク
【各弦の長さを一瞬で計算してくれる便利な『フレット位置計算』を公開して下さっているサイトがあります⇒】フレット位置計算
上記の計算方法って、、全然音楽的ではないですよね。音の響きを基準にしている訳ではなく、とても機械的にみえます。
当然、昔の人が見つけた『ファ』や『ソ』も、12平均律のなかではただの『均等に分けた内の1つの音』でしかないので、実は当時の音とはズレているんです。
※ピタゴラス・純正音律の『ファ』=<90cm> 『ソ』=<80cm> でしたね。上の12平均律の各音の長さとはズレがあります。
要は、12平均律とは......
『均等に音をズラしていった』
ということなんですね。
それでは何故、ここまで12平均律が普及したかといえば......
どのコードも『均等にズレている』ので、全てのコードが『完全に良い響きな訳でもないけどそこまで悪くもない』んです。さらに、転調しても同じように『ズレ』ているので、どのキイでも同じように『ズレ』たコードやメロディーを奏でることが可能なんです。
つまり、抜群に良いわけではないんだけど、使い勝手がよくそれなりに使える音律ということでしょう。
さまざまな音律が生まれては消えていった中で、苦肉の策として考え出されたように思われる『12平均律』。
全てがズレてしまうために嫌う音楽家もいるようですが、この音律でチューニングされたギターを毎日弾いていますと、そのデキの悪さもまた愛おしく感じるわけです。
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・ピタゴラス音階
・純正律
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初めての音階と言われる『ピタゴラス音階(音律)』も、その短所を補ったように思える『純正律』も、最終的には主流とはなりませんでした。
だからと言って、これらの音律が失敗作だった訳ではありません。
例えば、実際に『純正律』で演奏されたコードを聞くと、とても優しい音なんです。癒されるというか、ホッとするというか。ギターで綺麗なバラードを演奏する時にこの響きが出せたら、そりゃあ素晴らしいことだと思います。
それでも、今の音楽で使われている音律はそのほとんどが『12平均律』と言われるものです。
今回は、その『12平均律』がどんな音律で、どのように作られていったのか、見ていきましょう。
【これまでの音律の何が悪かったのか?】
これまで2回に渡って見てきた音律は、『響きが良い音を基準』にして作られていきました。
【関連記事】
・ピタゴラス音階
・純正律
その基準となるいくつかの音とは、大昔の人たちが『気持ちイイ!』という感覚をもとに探していった音。
『ド』を元にするなら、<ド><ファ><ソ><高いド>です。
【昔々の音の発見のお話⇒】・弦楽器の始まり~神の音程~
それらの音が互いに良い響きを作り上げていることに着目し、ピタゴラス音階や純正律は、いわば『良い響きを集めて』完成されました。
そうすると当然、<ド><ファ><ソ><高いド>の音を元にした響きならば調子が良い訳です。ただ......
いったん基準から外れると、とたんに響きが崩れてしまう。
音楽が発展していき、複雑なコード、頻繁な転調が使われるようになると、演奏に向かなくなっていったんですね。
【12平均律は何が基準?】
そこで、『響きが良い音を基準』にして作られた音律の短所を補う為に『どの音も基準にしない』という考えで生まれたのが12平均律です。
基準があるから、その基準から外れると悪くなる。だったら、始めから基準を作らなければ良い、という訳です。
12平均律を作る時に必要なのはものは1つだけです。
『弦の長さ』
それだけです。もう少し詳しく説明すると、ギターでいうナット~サドルまでの長さに当たる『弦長』ですね。
つまり、12平均律で基準となるのは『弦長』だけなんですね。
【12平均律の算出の仕方】
それではまた、120cmの弦で説明します。
長さが<120cm>の弦で、何も押さえないで鳴らした音の1オクターブ上の音を出すには、半分の<60cm>のところを押さえる必要があります。
『12平均律』ではこの<60cm>の長さを
『均等な割合で12個に区切る』
ことになります。
この『均等』という言葉がまたややこしいんです。
これは、同じ長さで区切る(等分)ということではありません。現に、この音律で作られているギターのフレットは、フレット数が大きくなるにつれ段々フレット幅が狭くなってきますよね。
これは、均等な割合で段々狭くなっているんです。
ギターでは1フレットで半音になりますから、半音が出るまでの距離が高くなるにつれ均等な割合で短くなっていくということになりますね。
で、その割合が『約94.387%』です。
つまり、音が高くなるにつれ、約94.387%ずつ次の半音が出るまでの距離が短くなっていくんですね。
これは、実施に計算していった方が分かりやすいでしょう。
120cmの弦の場合、何も押さえないで鳴らした音『ド』の半音上、つまり『#ド』が出る長さは
<120cmの94.387%>
すなわち
<120×0.94387>
で
約<113.2644cm>
の場所になります。
同じように、次の半音『レ』が出る長さは
『ド♯』の出る長さ<113.2644cm>の<94.387%>
なので
<113.2644×0.94387>
で
約<106.90687cm>
になります。
以下に12回<0.94387>を掛けた結果を載せます。
※120cmの弦を押さえないで鳴る音を『ド』とする
※小数点第6位を四捨五入
『ド』 ⇒120cm
『ド♯』 ⇒113.2644cm
『レ』 ⇒106.90687cm
『レ♯』 ⇒100.90619cm
『ミ』 ⇒95.24232cm
『ファ』 ⇒89.89637cm
『ファ♯』⇒84.85049cm
『ソ』 ⇒80.08783cm
『ソ♯』 ⇒75.5925cm
『ラ』 ⇒71.34949cm
『ラ♯』 ⇒67.34465cm
『シ』 ⇒63.56459cm
『高いド』⇒59.99671cm
<0.94387>を掛けていくと、1オクターブ上の音『高いド』が出る長さは59.99671cmで元の弦の長さのほぼ半分になりますよね。
ピタゴラス音階や純正律とも、この1オクターブの場所は半分で同じな値になる訳です。
上記の計算方法は、もちろん、元の弦の長さが何センチでも適用できます。
例えば、元の弦の長さが40cmなら、<40×0.94387>をはじめに行ない、出た答えにどんどん<0.94387>を全部で12回掛けていけばよいわけです。
これが『均等な割合で12個に区切る』ということなんです。
☆外部リンク
【各弦の長さを一瞬で計算してくれる便利な『フレット位置計算』を公開して下さっているサイトがあります⇒】フレット位置計算
【12平均律が普及した要因】
上記の計算方法って、、全然音楽的ではないですよね。音の響きを基準にしている訳ではなく、とても機械的にみえます。
当然、昔の人が見つけた『ファ』や『ソ』も、12平均律のなかではただの『均等に分けた内の1つの音』でしかないので、実は当時の音とはズレているんです。
※ピタゴラス・純正音律の『ファ』=<90cm> 『ソ』=<80cm> でしたね。上の12平均律の各音の長さとはズレがあります。
要は、12平均律とは......
『均等に音をズラしていった』
ということなんですね。
それでは何故、ここまで12平均律が普及したかといえば......
どのコードも『均等にズレている』ので、全てのコードが『完全に良い響きな訳でもないけどそこまで悪くもない』んです。さらに、転調しても同じように『ズレ』ているので、どのキイでも同じように『ズレ』たコードやメロディーを奏でることが可能なんです。
つまり、抜群に良いわけではないんだけど、使い勝手がよくそれなりに使える音律ということでしょう。
さまざまな音律が生まれては消えていった中で、苦肉の策として考え出されたように思われる『12平均律』。
全てがズレてしまうために嫌う音楽家もいるようですが、この音律でチューニングされたギターを毎日弾いていますと、そのデキの悪さもまた愛おしく感じるわけです。
☆関連記事
・弦楽器の始まり~神の音程~
・ピタゴラス音階
・純正律
・そして、平均律へ
・心の声
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Posted by sinya at 21:29
│音楽理論