2018年05月28日
「押さえる場所が分からない!」を解決~二胡の効率的な練習方法1~
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二胡はとにかく難しい楽器です!
二胡が難しい要因はいくつかありますが、その中でも最初に躓(つまづ)くのは以下の2つでしょう。
1、音が出ない
2、押さえる場所が分からない
1に関しては、私はとやかく言えません。1日1時間程度の練習では、なかなか良い音が出るようになりません。
恐らく、ギターと同じように、良い音を出すのは一生をかけて取り組む作業となるでしょう。
2に関しては、私の30年以上のギター経験を生かせる部分があるので、ギターなどの弦楽器の経験がない方よりはスムーズに進んでいると思います。
その経験をもとに、二胡が難しい要因の1つ『押さえる場所が分からない』を解決するための練習方法を考えてみましたので、今回はその方法を解説します。
楽器が上達しない人が『その楽器の構造を理解していない』という場合は、非常に多いと思います。
正直に言えば、簡単な曲を演奏するだけならその楽器の構造を知らなくても演奏はできます。
ただ問題はそのあとです。
楽器の構造を知らなければ一生初心者から脱しない確率が高いです。
この場合の構造は、2種類考えられます。
1、どうやって造られているか
2、どうやって音程を変えているか
この2つは密接に関わっています。
もちろん、非常に複雑な電子楽器などは、構造の理解は難しいです。ただ、アナログ楽器であるなら、その構造は調べれば誰でも知ることが出来ます。
二胡は非常にシンプルな造りをしていますので、1に関しては比較的分かりやすいです。
問題は2の『どうやって音程を変えているか』という部分ですね。
二胡を演奏しようという方にズバリ質問です。
12平均律を知っていますか?
もし「知らないよ」という方は、インターネットなどを利用して勉強されることをお勧めします。
【私が書いた記事も参考にしてください⇒】そして、平均律へ~12平均律での弦長の計算方法~
二胡は、『12平均律』といわれる音律によって音程を変えていく楽器です。
音に敏感な方は、12平均律による演奏に違和感を覚える場合もあるかもしれません。そういう方は恐らく『純正律』、あるいは中国の昔の音律と同じ『ピタゴラス音律』での音の出し方がしっくりくるかもしれません。
ただここでは、まず12平均律での音の出し方を学び、経験を積んでいく過程で響きに違和感が出てきたら修正していくという練習方法でやってみましょう。
とは言っても、12平均律について深い理解をする必要はないです。私も、その全容の1割も分かっていないと思います。
まずは二胡の演奏に必要な部分だけ分かっていればOK!
簡単にいうと......
1オクターブを均等な割合で12個に区切る
ということです。そしてその区切った1つ分が......
半音
と定義されます。
音に関係することなので、1オクターブを区切る基準が『音の周波数』で解説されていることが多いです。ただ、この『周波数』という言葉自体が、もう何だか難しそうで抵抗感が出るわけです。
そこでここでは、弦楽器に特化し、周波数ではなく『弦の長さ』で12平均律を考えるということをやっていきます。
分かりやすく言えば.....
千斤から何センチの場所を押さえれば楽譜の3の音が鳴らせるのか?
という、より現実的な考え方で進めていきましょう!ということ。
弦楽器の演奏をしたことが無い人は、この12平均律による指の使い方が分からないのが当然です。
例えば、二胡の楽譜に書かれている<ドレミファソラシ>を表す1~7の数字。これって普通の感覚だと弦の上に均等に並んでいるように思いますよね。(下図)
でもこれだと、どうやっても<ドレミファソラシド>とはならないんです。
<ドレミファソラシド>、いわゆる『メジャースケール』といわれる音階は、実は不規則な並びをしています。(下図)
これが、『全全半全全全半』という並びですね。
つまり、<3と4の間>と<7と1の間>が『半音』となり、他の音同士の距離『全音』よりも狭いんです。これも絶対に覚えましょう!
「そんなの知ってるよ!」という方は、かなり音楽的に知識があり素晴らしいと思います。
ただ、12平均律の中では上図の理解でもまだ不足なんですね。
12平均律による弦楽器でのメジャースケールは以下のようになります。
先ほどの『全全半全全全半』の画像とどこが違うか分かりますか?実は...
音が高くなるにつれ音と音の距離がだんだん狭くなっていくんです。
その差は、<1と2の距離>と<6と7の距離>を比べていただければ一目瞭然。これ、どちらも『全音』で、音楽的には同じ幅になるんです。
でも、長さでみると全く違って、明らかに<6と7の距離>の方が短いんです。
これが、弦楽器の12平均律による<ドレミファソラシド>の並びです。
そしてこれこそが、二胡の『押さえる場所が分からない』という難しさの要因の1つとなっているわけです。
ギターも二胡も、この12平均律の並びで音程を変えていくという方法は同じです。
ただ同じとはいえ、その難しさは全く違い、ギターの方が圧倒的に簡単です。何故なら......
『印(しるし)』 つまり フレットがあるからです。
私はギターを30年以上弾いてますが、12平均律の並びを意識して弾いていたかというと、答えはNO!です。
正直、12平均律についてその内容を本格的に勉強し始めたのもギター教室を開業してからですから、ほんの6年程前です。
ギターの場合、演奏していれば自然にこの12平均律的な指の動きに慣れると言ってもよいでしょう。それは、先ほども言ったように『印』があるからです。
一方。二胡にはまったく『印』がありません。
その為、12平均律的な指の動かし方をマスターするには、以下の2つの方法が考えられます。
1、耳を頼りに音を探していく
2、12平均律の運指を覚える
『運指』とは指の動かし方です。実際には、1と2の両方をそれぞれの演奏者に合わせた割合でマスターしていくことになるでしょう。
ただ、最初に書いたように二胡は『音を出すのが非常に難しい楽器』です。
楽器経験の有無にかかわらず、最初から耳を頼りに音を確認していく作業はかなり難しいでしょう。そもそも、音が鳴らなければ耳を頼りにできないわけですから。
また、弦を押さえて音程を変える楽器の多くは、右手と左手で違う動きをします。
それらの楽器を習得するときに最も効率が良いのは、右手と左手を別々に練習する方法です。
これは、よなおしギターから一般のギターへ移行する例を見てきた経験から確実に言える、非常に効果的な練習方法です。
【よなおしギターから普通のギターへの移行例はこちら⇒】よなおしギターから普通のギターへの移行例
つまり二胡でも、『右手の弓の動き』、『左手の弦を押さえる動き』をそれぞれ別々に集中的に練習する方法が最も効率的となります。
以上のことから、音を鳴らさない状態で左手の12平均律的な運指を覚える練習が、初心者には効果があると考えます。
そしてその方法は、私が12平均律の運指をマスターしたのと同じです。つまり...
フレット(印)の付いたギターを練習する!
でも、二胡を弾きたいのにギターを練習するのは嫌ですね。ですから...
二胡にフレット(印)を付ける!
でも、二胡の構造上、棹に印をつけても弦までの距離があるので分かり難い。その上、二胡に印をつけるのに抵抗がありますよね。ですから....
二胡棒で練習しよう!
『二胡棒』は、その名の通り二胡に見立てた棒にフレット(印)をつけた練習用のツールです。
ただの棒ですので、もちろん音は出ません。だから、12平均律的な指の動かし方を音を気にせずいつでもどこでも行えるのでとっても便利。
練習したい内容によって棒に記入する文字を変えるとさらに効果的!
D調スケールの練習(ドレミを記入)
D調二胡譜読みの練習(数字を記入)
この『二胡棒』で左手の運指の練習に励んでいる期間、右手の方は二胡を使って開放弦(弦を押さえない音)のみで弓を操る練習をする。
このようにして左手と右手を別々に練習すれば、それぞれの習得速度が確実に上がります。
そうなれば、その後の左右のコンビネーションの練習もスムーズにいくこと間違いなし!
この『二胡棒』の作り方は簡単!次の記事で解説します!
『二胡棒』で、12平均律の音の並びを徹底的にマスターしましょう!
【二胡棒にはさまざまな効果がある!⇒】二胡の練習用ツール『二胡棒』を作ろう!~二胡の効率的な練習方法2
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二胡はとにかく難しい楽器です!
二胡が難しい要因はいくつかありますが、その中でも最初に躓(つまづ)くのは以下の2つでしょう。
1、音が出ない
2、押さえる場所が分からない
1に関しては、私はとやかく言えません。1日1時間程度の練習では、なかなか良い音が出るようになりません。
恐らく、ギターと同じように、良い音を出すのは一生をかけて取り組む作業となるでしょう。
2に関しては、私の30年以上のギター経験を生かせる部分があるので、ギターなどの弦楽器の経験がない方よりはスムーズに進んでいると思います。
その経験をもとに、二胡が難しい要因の1つ『押さえる場所が分からない』を解決するための練習方法を考えてみましたので、今回はその方法を解説します。
【楽器の構造を知る!】
楽器が上達しない人が『その楽器の構造を理解していない』という場合は、非常に多いと思います。
正直に言えば、簡単な曲を演奏するだけならその楽器の構造を知らなくても演奏はできます。
ただ問題はそのあとです。
楽器の構造を知らなければ一生初心者から脱しない確率が高いです。
この場合の構造は、2種類考えられます。
1、どうやって造られているか
2、どうやって音程を変えているか
この2つは密接に関わっています。
もちろん、非常に複雑な電子楽器などは、構造の理解は難しいです。ただ、アナログ楽器であるなら、その構造は調べれば誰でも知ることが出来ます。
二胡は非常にシンプルな造りをしていますので、1に関しては比較的分かりやすいです。
問題は2の『どうやって音程を変えているか』という部分ですね。
【二胡を始める前に大切な質問】
二胡を演奏しようという方にズバリ質問です。
12平均律を知っていますか?
もし「知らないよ」という方は、インターネットなどを利用して勉強されることをお勧めします。
【私が書いた記事も参考にしてください⇒】そして、平均律へ~12平均律での弦長の計算方法~
二胡は、『12平均律』といわれる音律によって音程を変えていく楽器です。
音に敏感な方は、12平均律による演奏に違和感を覚える場合もあるかもしれません。そういう方は恐らく『純正律』、あるいは中国の昔の音律と同じ『ピタゴラス音律』での音の出し方がしっくりくるかもしれません。
ただここでは、まず12平均律での音の出し方を学び、経験を積んでいく過程で響きに違和感が出てきたら修正していくという練習方法でやってみましょう。
とは言っても、12平均律について深い理解をする必要はないです。私も、その全容の1割も分かっていないと思います。
まずは二胡の演奏に必要な部分だけ分かっていればOK!
【12平均律とは?】
簡単にいうと......
1オクターブを均等な割合で12個に区切る
ということです。そしてその区切った1つ分が......
半音
と定義されます。
音に関係することなので、1オクターブを区切る基準が『音の周波数』で解説されていることが多いです。ただ、この『周波数』という言葉自体が、もう何だか難しそうで抵抗感が出るわけです。
そこでここでは、弦楽器に特化し、周波数ではなく『弦の長さ』で12平均律を考えるということをやっていきます。
分かりやすく言えば.....
千斤から何センチの場所を押さえれば楽譜の3の音が鳴らせるのか?
という、より現実的な考え方で進めていきましょう!ということ。
【12平均律でのメジャースケール】
弦楽器の演奏をしたことが無い人は、この12平均律による指の使い方が分からないのが当然です。
例えば、二胡の楽譜に書かれている<ドレミファソラシ>を表す1~7の数字。これって普通の感覚だと弦の上に均等に並んでいるように思いますよね。(下図)
でもこれだと、どうやっても<ドレミファソラシド>とはならないんです。
<ドレミファソラシド>、いわゆる『メジャースケール』といわれる音階は、実は不規則な並びをしています。(下図)
これが、『全全半全全全半』という並びですね。
つまり、<3と4の間>と<7と1の間>が『半音』となり、他の音同士の距離『全音』よりも狭いんです。これも絶対に覚えましょう!
「そんなの知ってるよ!」という方は、かなり音楽的に知識があり素晴らしいと思います。
ただ、12平均律の中では上図の理解でもまだ不足なんですね。
12平均律による弦楽器でのメジャースケールは以下のようになります。
先ほどの『全全半全全全半』の画像とどこが違うか分かりますか?実は...
音が高くなるにつれ音と音の距離がだんだん狭くなっていくんです。
その差は、<1と2の距離>と<6と7の距離>を比べていただければ一目瞭然。これ、どちらも『全音』で、音楽的には同じ幅になるんです。
でも、長さでみると全く違って、明らかに<6と7の距離>の方が短いんです。
これが、弦楽器の12平均律による<ドレミファソラシド>の並びです。
そしてこれこそが、二胡の『押さえる場所が分からない』という難しさの要因の1つとなっているわけです。
【二胡初心者にとって効率的な練習】
ギターも二胡も、この12平均律の並びで音程を変えていくという方法は同じです。
ただ同じとはいえ、その難しさは全く違い、ギターの方が圧倒的に簡単です。何故なら......
『印(しるし)』 つまり フレットがあるからです。
私はギターを30年以上弾いてますが、12平均律の並びを意識して弾いていたかというと、答えはNO!です。
正直、12平均律についてその内容を本格的に勉強し始めたのもギター教室を開業してからですから、ほんの6年程前です。
ギターの場合、演奏していれば自然にこの12平均律的な指の動きに慣れると言ってもよいでしょう。それは、先ほども言ったように『印』があるからです。
一方。二胡にはまったく『印』がありません。
その為、12平均律的な指の動かし方をマスターするには、以下の2つの方法が考えられます。
1、耳を頼りに音を探していく
2、12平均律の運指を覚える
『運指』とは指の動かし方です。実際には、1と2の両方をそれぞれの演奏者に合わせた割合でマスターしていくことになるでしょう。
ただ、最初に書いたように二胡は『音を出すのが非常に難しい楽器』です。
楽器経験の有無にかかわらず、最初から耳を頼りに音を確認していく作業はかなり難しいでしょう。そもそも、音が鳴らなければ耳を頼りにできないわけですから。
また、弦を押さえて音程を変える楽器の多くは、右手と左手で違う動きをします。
それらの楽器を習得するときに最も効率が良いのは、右手と左手を別々に練習する方法です。
これは、よなおしギターから一般のギターへ移行する例を見てきた経験から確実に言える、非常に効果的な練習方法です。
【よなおしギターから普通のギターへの移行例はこちら⇒】よなおしギターから普通のギターへの移行例
つまり二胡でも、『右手の弓の動き』、『左手の弦を押さえる動き』をそれぞれ別々に集中的に練習する方法が最も効率的となります。
【二胡棒を使った練習!】
以上のことから、音を鳴らさない状態で左手の12平均律的な運指を覚える練習が、初心者には効果があると考えます。
そしてその方法は、私が12平均律の運指をマスターしたのと同じです。つまり...
フレット(印)の付いたギターを練習する!
でも、二胡を弾きたいのにギターを練習するのは嫌ですね。ですから...
二胡にフレット(印)を付ける!
でも、二胡の構造上、棹に印をつけても弦までの距離があるので分かり難い。その上、二胡に印をつけるのに抵抗がありますよね。ですから....
二胡棒で練習しよう!
『二胡棒』は、その名の通り二胡に見立てた棒にフレット(印)をつけた練習用のツールです。
ただの棒ですので、もちろん音は出ません。だから、12平均律的な指の動かし方を音を気にせずいつでもどこでも行えるのでとっても便利。
練習したい内容によって棒に記入する文字を変えるとさらに効果的!
D調スケールの練習(ドレミを記入)
D調二胡譜読みの練習(数字を記入)
この『二胡棒』で左手の運指の練習に励んでいる期間、右手の方は二胡を使って開放弦(弦を押さえない音)のみで弓を操る練習をする。
このようにして左手と右手を別々に練習すれば、それぞれの習得速度が確実に上がります。
そうなれば、その後の左右のコンビネーションの練習もスムーズにいくこと間違いなし!
この『二胡棒』の作り方は簡単!次の記事で解説します!
『二胡棒』で、12平均律の音の並びを徹底的にマスターしましょう!
【二胡棒にはさまざまな効果がある!⇒】二胡の練習用ツール『二胡棒』を作ろう!~二胡の効率的な練習方法2
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