↓こちらもチェック! ウクレレ独学応援
↓こちらもチェック! ===============
Information
静岡県東部・伊豆 ブログポータルサイト イーラ・パーク
 

2013年07月30日

『ANJI』ベースライン




【sinyaが開発!弾く脳トレ!よなおしギター】


昨日は、『ANJI』のメインフレーズを度数譜にすることによって、この曲の雰囲気を出すのに貢献していると思われる音を発見することが出来ました。

さて、今日は引き続き、度数譜を利用して『ANJI』の検証・考察を行いたいと思います。
といいましても、度数譜でないと解析できないという訳ではないのですが・・・

昨日もアップしました度数譜2を再度アップします。
この度数譜は、コードのルート音を<1>として表記してあります。


『ANJI』ベースライン


この度数譜は、線の下の度数が『ベースライン』を表します。
で、そのベースラインだけに注目すると、<Am>のベース音は<5>で、それ以外のコードの時のベース音は全て<1>になっているのが分かります。

要は、<Am>の時以外は、コードのルート音をベース音として親指で演奏しているんですね。

この曲のベースラインは、ほとんどが、いわゆる『モノトニック・ベース奏法』で演奏されます。

『モノトニック・ベース奏法』とは、基本的には『コードのルート音をベース音として1拍ずつ鳴らしていく』弾き方になりますので。ANJIに関しても、基本的な『モノトニック・ベース奏法』で演奏するなら、<Am>のベース音も他のコードと同じように<1>の音、すなわち、<A(ラ)>の音にするのが良いような気がするのですが・・・

もちろん、楽譜の通りに<Am>のベース音として<5>の<E(ミ)>の音を使うことは、別に間違っている訳でも無いですし、ベース音として<5>の音は非常に良く使われる音ではあります。

ただ、<Am>のコードが出てきた最初の拍では、やはりルート音である<A(ラ)>を鳴らすのが一般的だと思います。そうしないと、アコギ1本での演奏では、何のコードかが分かり辛くなってしまいますからね。

私の持っている楽譜は、ポール・サイモン氏の演奏(スタジオテイク)が元になっています。で、確認の為、ポール・サイモン氏の演奏を聞いてみますと、確かにベースラインは上記の度数譜の通りになっているように聴こえますね。




で、これはポール・サイモン氏のアレンジによるものなのか?あるいは、もともとの原曲からこのベースラインだったのか?気になったので、作曲者デイビー・グレアム氏の演奏も聴いてみました。




お聴きのように、デイビー・グレアム氏は、<Am>のベース音として、シンプルに<A(ラ)>の音を鳴らしていますね。
ということは、<Am>のベース音として<E(ミ)>の音を使う演奏は、ポール・サイモン氏のアレンジということなのでしょうか?

いずれにしても、ポール・サイモン氏は、原曲とは違ったベースラインをチョイスし演奏したことになりますね。

では、ポール・サイモン氏が原曲とは違ったベースラインをチョイスした理由は何でしょうか?
それはもちろん、本人にしか分からないことです。私としては、残された音源で判断するしかないのですが、ポール・サイモン氏と作曲者デイビー・グレアム氏の演奏を比べてみると、明らかに『迫力』という面でポール・サイモン氏に軍配が上がるような気がします。

この『迫力』という特徴に、ポール・サイモン氏がチョイスしたベースラインが与えている影響は少なく無いと思います。

6弦開放の<E(ミ)>の音は、当然ギターで最も低い音ですね。しかも、<Am>のベース音を<E(ミ)>にすることで、この曲の最も特徴的なフレーズの部分は、全て6弦でベースを鳴らすことが出来ます。ベース音に5弦を使う場合よりも、若干は演奏が簡単になる上、6弦は親指で思いっきり弾き下ろすことが出来る弦です。

要は、最も低い音を強く弾き下ろすことで、ベース音をより強調することが出来る。


そして、やはりベースラインの雰囲気の違いも大切ですね。
ベースラインだけを弾き比べてみると、その雰囲気の違いがより分かりやすいかと思います。
以下は、両者の演奏するANJIのベースラインです。

☆デイビー・グレアム氏のバージョン
<ラ・ラ・ソ・ソ・ファ・ファ・ミ・ミ>

☆ポール・サイモン氏のバージョン
<ミ・ミ・ソ・ソ・ファ・ファ・ミ・ミ>


ベースラインだけを弾いての私感ですが、デイビー・グレアム氏のバージョンは、素直で大人しい感じがしますね。一方、ポール・サイモン氏のバージョンは、原曲とはコード進行が違って聴こえてしまいますが、渋いダークな雰囲気があります。

ベースラインだけなら、両者の演奏する曲は、違うコード進行の違う曲に聞こえるわけです。


ベース音の弾き方もベースラインも、どちらが良いという訳ではありませんが。もし、ポール・サイモン氏のこういった迫力のある演奏が受け入れられて『ANJI』がここまで有名な曲になったのなら、やはり彼の才能は素晴らしいということになるのでしょう。

ただ私は、デイビー・グレアム氏の素直な感じも非常に好きです。それは、このコード進行自体がとても好きなので、よりコード進行が強調される方が演奏していて気持ちが良いんですね。
ですから、その時々で、<Am>のベース音を<A(ラ)>にして弾いたりしています。

コード進行を大事にするのか、雰囲気を大事にするのか、決めるのは演奏する人間のサジ加減で良いと思います。

自分が弾きやすい方、良いと感じた方で演奏できれば良いですね。

※ポール・サイモン氏の演奏ではカポを2フレットに付けていますので、実際の音は1音高くなります。
※ポール・サイモン氏のスタジオテイク以外の演奏のベースラインは検証していません。


☆『ANJI』関連記事

・ギターリストの登竜門『ANJI』ってどんな曲?
・楽譜を使って練習しよう!~ANJIの楽譜をダウンロードする~
・『ANJI』度数譜
・『ANJI』ベースライン
・『ANJI』の演奏動画
・『ANJI』コードの押さえ方
・『ANJI』コードの押さえ方2
・琴爪による『ANJI』


☆『ANJI』が収録されたアルバムはこちら!

サウンド・オブ・サイレンス




☆厳選!ギターを始めたばかりの方にお勧めの記事3つ!

厳選1 メロディ演奏にもコード伴奏にも密接な関連があるCメジャースケール。ギターを初めて触った時から上級者になるまでの練習の必須項目!
【Cメジャースケールを練習しよう!~ギターにおけるCメジャースケールの重要性~】


厳選2 ギターで最初に練習するべき曲は教則本には載っていない場合が多いんです!最初にどんな曲を弾くべきか?またその判別方法は?
【ギターで最初に挑戦する曲は?~キィの判別と教則本の落とし穴~】



厳選3 sinyaが猛烈プッシュするギターの新しい練習方法!いずれは、この練習がギターリストにとっての当たり前になると本気で思っています。ギターの全てが詰まった画期的な練習です!
【ギターリストの新しい練習方法~二胡譜の活用~】


『ANJI』ベースライン


【初心者・独学ギターリストの強い味方】とにかくギターを弾きたいという方へおすすめの教材です!





同じカテゴリー(ギター教室)の記事画像
ギターのポジションマークの位置に意味はあるか?~新しいポジションマークの位置を考える~
『裏』を意識してみる~ギター習得の手順と『HeyHey』再挑戦~
ブルースの『モノトニックベース+メロディ』に挑戦
『きよしこの夜』ソロギター図解 その6
ブルースの『シャッフル感』を出す
『いつも何度でも』ソロ・ギターのしらべバージョン
同じカテゴリー(ギター教室)の記事
 ギターのポジションマークの位置に意味はあるか?~新しいポジションマークの位置を考える~ (2018-05-12 23:35)
 『裏』を意識してみる~ギター習得の手順と『HeyHey』再挑戦~ (2013-11-27 23:42)
 ブルースの『モノトニックベース+メロディ』に挑戦 (2013-10-29 23:01)
 『きよしこの夜』ソロギター図解 その6 (2013-10-27 22:37)
 ブルースの『シャッフル感』を出す (2013-10-26 01:28)
 『いつも何度でも』ソロ・ギターのしらべバージョン (2013-10-24 00:13)

Posted by sinya at 22:09 │ギター教室