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2013年07月29日

『ANJI』度数譜




【sinyaが開発!弾く脳トレ!よなおしギター】


先日、アコギのソロギターの登竜門的な曲として『ANJI』をご紹介しました

お恥ずかしながら、私はこの曲自体は知っていたものの、これほどまでに多くのギターリストがこの曲を練習しレパートリーとしていることを知りませんでした。

という訳で、私も早急に『ANJI』の習得を目指した訳です。

で、この曲に関しては、さまざまな方が、演奏方法や考え方などを記事にしてアップしていらっしゃいますので、いまさら私が情報を発信しても大して役に立たないのは分かっていますが・・・
それでも、ちょっと違った角度から、この曲に関しての『私なりの考察』をお伝えできればと思い、不定期ではありますが、何回かに分けて記事にしていきたいと思います。

『私なりの考察』ということで、何はなくとも、やはりまず始めはギター専用楽譜『度数譜』による検証を行いたいと思います。

『ANJI』の中で最も多く出てくるフレーズの度数譜です。



☆度数譜1
『ANJI』度数譜



☆度数譜2
『ANJI』度数譜


私の持っている楽譜では、この部分のコード進行は <Am→G→F→E> となっています。

『度数譜1』は、キイであるAmのルート音である『A(ラ)』を1度として表した度数譜です。

『度数譜2』は、各コードのルート音を1度として表した度数譜です。


この部分は、シンプルで力強く、正に『ANJI』の曲の特徴を決定付けるようなフレーズですよね。
使われているコードは、シンプルなマイナーキイの4つのダイアトニックコードになりますが。正確には『Aハーモニックマイナースケール上のダイアトニックコードも含まれている』ことになります。

これは、『度数譜1』を見ていただくと分かるのですが、Eコードの場所でAに対しての<M7>の音が出てくるんです。(度数譜では7と表記されています)
一般的に『マイナースケール』といわれる『ナチュラルマイナースケール』の7度の音は、<m7>になりますので、<M7>という音は『ナチュラルマイナースケール上の音ではない』ことになります。

※ナチュラルマイナースケールの構成音
<P1・M2・m3・P4・P5・m6・m7・P8>


なぜ、<m7>ではなく<M7>の音を使うかといいますと、<M7>の次に奏でる1度の音(ラ)に『半音進行』することが出来るからというのが1つの理由です。

『半音進行』というのは、とても強い進行になります。

このことから、本来の『Aナチュラルマイナースケール上のダイアトニックコード』である<Em>というコードの代わりに、1度の音(A)に半音進行する音(G♯)が含まれる<E>というコードを使う場合が多々あります。

マイナーキイのブルースでも、よく使われるパターンですね。

この辺は、理論的に少し難しくなりますので、実際にコードを弾いてみてその違いを比べるのが良いと思います。

☆パターン1 <Am→G→F→Em>

☆パターン2 <Am→G→F→E>


上の2つのパターンを単純なコードストロークで弾いてみるだけでも、その雰囲気の違いが良く分かると思います。
『ANJI』は、パターン2のコード進行となる訳ですが。理論的なことを全く考慮せずに、私感で言いますと「渋い雰囲気」に感じます。
一方。パターン1の方は、何だかあまりにも素直な感じがしてしまい、Emコードの部分で『拍子抜け』してしまう感じがするんですね。
(ちなみに、私の大好きなストレイ・キャッツの『STRAY CAT STRUT』も、キイは違いますがパターン2と同じコード進行が使われています)

このように、『度数譜1』のEコードの部分に出てくる<7>という音が『ANJI』に与える影響は少なく無いと思います。

要は、この<7>の音をしっかり奏でることによって、より『ANJI』は、それらしい雰囲気が出るということになってくるのですが・・・
問題は、(度数譜には表されていませんが)この<7>は『ハンマリングによって奏でなければならない』ということなんですね。

『ANJI』の演奏が難しい理由の1つに、この『ハンマリング』や『プリング・オフ』の多用が挙げられると思います。

確かに、ローコードによるこれらのテクニックは、難しいですね。
コツとしては、ハンマリング前の音、『ANJI』では、3弦開放の『G(ソ)』の音を強めにピッキングすると良いかもしれません。


曲を度数譜に表すと、シンプルな理論では本来は『使わない音』を直ぐに発見することが出来ます。本来は『使わない音』をわざわざ使うということは、それは、何かしらの意味を持って使われる訳です。
作曲者がなぜその音を使ったのか?その意図を、自分なりでよいので、解釈することが出来れば、その楽曲の特徴を捉えた演奏が出来ると思うんです。

TAB譜で曲を練習すれば、確かに早く習得できるでしょう。ただ、それと同時に、度数譜などを使ってより楽曲への理解を深めることが出来れば、ただ弾くだけではない、より完成度の高い演奏が出来てくるのだと思います。

このように、これから『ANJI』に関しての、私なりの演奏方法のコツや考え方などを、時々記事にしていきたいと思っています。


☆『ANJI』関連記事

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サウンド・オブ・サイレンス




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Posted by sinya at 18:08 │度数譜
この記事へのコメント
sinyaさん、こんばんは。
あれ以来、記事を拝見させて戴いてますが、
毎回とても参考になります。
「ANJI」のこと、私も知りませんでしたが、
とても興味がわき、私も挑戦してみようと
思った次第です。私もエリーゼから譜面を
入手してしまいました。
私なんかに弾けるかわかりませんが、頑張
ってみます。
この曲、サムピック必須ですかね?
ソロギターを習ってますが、サムピックを
使ったことはないので。。。
では、これからも宜しくお願いします。
Toshi
Posted by Toshi at 2013年07月29日 21:36
Toshiさん、こんにちは!

いつもご訪問いただき、ありがとうございます。
Toshiさんも、ANJIへの挑戦を始められたんですね!

ピックに関してですが。
ピックは、音質にかなりの影響を与えますので、まずはToshiさんが『こんな音で演奏したい』という目標の音を決めると良いと思います。
サムピックや、人差し指・中指にはめるフィンガーピックを使って演奏すると、かなり硬質で大きな音が出ますね。ポール・サイモンの迫力のある演奏を参考にしていただくと分かりやすいと思います。
逆に、人によっては、もっと音量や音の硬さを抑えたいと思う方もいると思います。私は、最近ではブルースなどを演奏する時には、一切ピックを付けません。ですから、ANJIの演奏の時もピックは一切使いません。
目標の音・演奏環境・ギター・弦・体格・指や爪の状態などなど、皆さん違いがありますので、サムピックを使わないといけないと言うことは、ANJIに限らず、無いと思います。
ただ、サムピックは非常に便利なピックですので、使えるようになると演奏の幅が広がるのも確かです。

イロイロと試していただいて、目指す音を模索してみてください。

長々とスミマセンでした。
ANJIの練習、一緒に頑張りましょう!
Posted by sinyasinya at 2013年07月30日 14:42