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2014年01月31日

モーリス『MV-701』 リペア完了!~アコギリペアの驚くべき技術~




【sinyaが開発!弾く脳トレ!よなおしギター】


以前、私が初めて手に入れたアコースティックギターとして『モーリス MV701』をご紹介しました。さらに、そのギターをリペアに出すこともお伝えしましたが・・・

帰ってきました!その<MV701>が、リペアから上ってきたんです。

「仕上がりました!」のご連絡を頂き、ワクワクドキドキしながらリペアショップに伺ったんです。で、私の<MV701>がどんな状態になったのか、今から画像付きでご説明していきますが。その前に、結果から先にお伝えします。

私の<MV701>は、見事な復活を果たしました。いや、復活というよりも『生まれ変わった』と言った方が的確です。

それでは、30年経ってボロボロだった<MV701>の新しい姿をご覧ください。

と、その前に。なにせ30年もノーメンテナンスのギターです。リペア・調整部分は非常に多岐に渡りますので、その全てをご紹介すると大変なことになってしまいます。
ですから、ここでは主なリペア・調整部分のみをご紹介していきます。


☆ヘッド部分

全体にクリーニングされ、さらに、キズ・塗装剥げを目立たないようにしてくれました。




ペグ(糸巻)は、オリジナルのものをクリーニングして使う予定でしたが、経年によるグリスの漏れ出しが酷く、思い切って交換です。
オリジナルに近い形のものを探して下さり、結果『GOTOH製のグローバータイプ』でクロームメッキのペグを取り付けて頂きました。

ピッカピカです!





☆ナット部分

ナットは新しく『TUSQ』で成形。




オリジナルのものは、溝が深くなりすぎの上、1弦~6弦までの幅が狭かったため、『弦間ピッチ』も調整して下さいました。
1弦~6弦までの幅、いわゆる『EtoE』は、35.5mmに調整です。




私は最近、EtoEの広いOMタイプのギターばかり弾いていますので、この調整は嬉しいです。
弦間ピッチが狭いと、コードを押さえた時に隣の指が邪魔なんですよね、自分の指なのに・・・。酷い時には、隣の弦に指が当たってしまって、せっかくロングトーンを出したいのにミュートしてしまうこともあります。

お恥ずかしいですが、私が弦間ピッチの狭い『アストリアス ソロスタンダードC』で演奏している動画では、指が隣の弦に当たって音が止まってしまっている箇所がいくつもあります。

今回の<MV701>のリペアは、全てお任せでお願いしましたので。このナットの成形も、ネック幅や私の体格などを考慮した上で作業して下さったのだろうと思います。



☆ネック部分

約10年間、弦を張っていない状態で放置してあった<MV701>のネックは、『逆反り』状態でした。かなりヒドイ状態だったので、正直このネックが一番の心配の種で、もしかしたら直らないか、直ったとしても相当の手間と費用が掛かるのではないかと・・・。

結果的には、弦を張ってチューニングした状態で、ネックはピッタリ真っ直ぐ!です。

これには驚きましたね。流石!としか言いようがありません。

その他、ネックの裏にも表にも多数あった傷の1つ1つを、演奏に支障のない程度まで補正して下さいました。特に『音の立ち上がり』に最も影響のあるという指板は、研磨作業により入念なクリーニングを施していただきました。



☆フレット部分

フレットも心配の種でした。新しいフレットに交換するとなると、やはり費用が掛かりますので・・・。
ですが、フレットは、あと1回なら『摺り合せ』でいけるとのことだったので、こちらも助かりました。

フレットは、『摺り合せ』の他、『面取り』『鏡面研磨』を施してあり、恐らく、新品のギターよりも輝いています。




そして、特筆すべきは『面取り』されたフレットの端の状態。フレット自体がネック幅よりも短いため、その作業は相当に手間がかかるらしいのですが、この『面取り』により指の引っ掛かりが無くなり、演奏性がかなり向上します。




お陰様で、ネック・フレット部分は、新品のギター以上の状態です。





☆ブリッジ部分

サドルは、ナットと同じ『TUSQ』で新しく成形です。オクターブチューニングを正確にするため、いわゆる『オフセット加工』が施されました。

削って、弦を張って、オクターブチューニングをして、という作業を何回も繰り返して、最終的に形を整えていくようで。これが、相当に手間がかかるとのこと。
しかし、この作業を詰めていくことで、ローポジションでもハイポジションでもチューニングの狂いを感じることなく演奏が出来る訳です。

そんな手間のかかる作業を、弦高調整と同時に行っていきますので、正に職人技ですね。

成形後に研磨されたサドルは、まさに芸術品です。




ブリッジピンは、ナット・サドルと同じ『TUSQ』に交換です。以前ブログでもご紹介しました、『グラフテック社』のブリッジピンですね。



☆その他、クリーニング・補正等

ここにはとても全て書ききれませんが、いたるところにあったキズ・ヘコミ・塗装剥がれなどの目立つ部分は、全て補正されていました。
特に酷かった表板の数cmに渡る深いキズは、ジャッキとクランプを使っての大掛かりな補正だったようです。

クリーニングも、全体的に徹底的にやって頂きました。
<MV701>のボディ内部には、30年分のホコリが溜まっていました。ただのホコリなら良いのですが、それが経年で固着してしまっていて、ブラシと掃除機を使いクリーニングして下さったそうです。それでも取れない汚れは、両面テープを使って丹念に取り去るという作業。

このクリーニングと補正作業は、本当に丹念に徹底的に施されていて、感動しました。

初めてリペアを依頼した私の、しかも当時3万円のギターに対しての一切妥協の無い仕事は、正に本物の職人仕事だと感じます。



☆音

以上のように、一切の妥協なく全てのリペアと調整が施された私の<MV701>、その見た目の仕上がりにも驚きましたが、何と言ってもコードをジャラ~ンと弾かせてもらった時の驚きと言ったら・・・

正に、<MV701>が生まれ変わった瞬間です。

シャキッとした音の立ち上がり、低音高音のバランス、透明感、明確な音の分離、完璧なチューニング、パワフルな音量、そして、スーッと伸びていくサスティン・・・
それが、1弦12Fで<1.6mm> 6弦12Fで<1.8mm> という極限まで下げられた弦高により、圧倒的な弾きやすさで出すことが出来る。

もう、どれをとっても、私の知っている<MV701>ではありません。

恐らく、これと同じレベルの音を出す新しいギターを購入するとするならば、大袈裟ではなく『20万円』は必要になるでしょう。

そうなんです、30年経った『木』の持つポテンシャルは、半端なく高いんです。

ただ、その『木』のポテンシャルを引き出すのが、リペアであり調整なんですね。リペア前は、音を出すことすらママならなかった訳ですから。
そして何より、小さなキズ1つ、汚れ1つに対しても妥協の無い仕事が、この結果を生み出す訳で。1つのキズや汚れが『音』に与える影響は非常に微量であっても、何十もあるキズや汚れを1つ1つ丹念に補正しクリーニングしていくことで、『塵も積もれば山となる』、音に多大な影響を与える結果となる訳です。

今回、初めて本格的なリペアに触れ、もの凄く勉強になりました。

今までは、技術的なことが第一で、『音』のほとんどが演奏技術で決まると思っていましたから。
もちろん、演奏技術を磨くことはスゴク大切なことです。でも、『木のポテンシャルを最大限に引き出す技術』も非常に大切なことなんですね。

今までの私は、ギターの持つ可能性を侮り、より良い音を出す機会を潰していたと言わざるを得ません。

このことに気付かせてくれたSさんに、心から感謝いたします。

そして、近くにこれほど信頼の置けるリペアマンがいらっしゃることが、ギターリストにとってどれだけ心強く幸せなことか。
私は、生徒さん達にも恵まれていますが。確かに、運が良いのだと思います。

<MV701>を処分してしまわなくて、本当に良かった・・・

<MV701>の音に関しては、おいおいブログにアップしていきたいと思っていますので、お楽しみにしていて下さい。



☆おまけ

こんな素晴らしいリペアが施されましたので、いささかお恥ずかしいのですが・・・
私が作成した『ネームプレート』も、指板部分の掘り込みを調節して頂いて、シッカリと取り付けて頂きました。




☆モーリス『MV-701』の関連記事!

・モーリス『MV-701』
・指板のインレイ加工
・モーリス『MV-701』 リペア完了!
・モーリス『MV-701』の音



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Posted by sinya at 21:39調整・メンテナンス

2013年11月24日

指板のインレイ加工




【sinyaが開発!弾く脳トレ!よなおしギター】


『インレイ』とは『はめ込み細工』のことです。

高級なギターになると、ボディや指板に動物や植物などをモチーフにした様々な模様が施されている場合がありますね。
例えば、比較的シンプルなギター造りをしているアストリアス・ギターも、指板に綺麗なインレイを施したモデルが存在ます。




このような高級なギターのインレイの素材には、ホワイトパールやアバロンなどの貝が使われていることが多いようです。
つまり、このような豪華なインレイは、硬い貝を細かく加工し、さらに、ギターのボディ側には加工した貝がピッタリと収まるような『掘り込み』を施し、ギターに接着した貝をさらに磨き上げて完成する訳です。

まさに職人技。この手間を考えると、確かに豪華なインレイは、ある程度は高級なギターにしか施すことが出来ないことになりますね。

なので、『インレイ=高級なギターに高級な素材を使い派手なデザインを施すもの』と思いがちですが。例えば、小さな丸いポジションマークで、しかも素材が樹脂であっても、それが『はめ込んで細工』されたものであるなら、もちろんそれも『インレイ』ということが言えます。


さて。以前ご紹介しました、私が初めて手に入れたギター、モーリス『MV-701』のお話です。

このギターを購入した時、ちょうど『名前入れキャンペーン』の最中だったんです。
これが、楽器店のキャンペーンだったのか、メーカーのキャンペーンだったのか、覚えていないのですが。このキャンペーンは、ギター本体の代金に3,000円をプラスすることで『ギターの指板に名前を彫り込んだプレートを埋め込んでくれる』という内容でした。

たぶん、私の父親だったと思いますが、「せっかくだから入れてもらえ」と提案してくれて、資金も出してくれたと思います。
後日、楽器店から「プレートが出来上がりました」との連絡が入り、早速、ギターを持って私1人で楽器店に行った訳です。

その時のことは、非常によく覚えています。

対応してくれたのは、楽器店のスタッフのSさんと、モーリスの社員さん。
社員さんが、私が持ってきたギターの弦の劣化具合を見て「しっかり練習してるね」と言ってくれました。
名入りプレートを埋め込む加工には、当然、弦を外す必要があります。ただ、その時私は、新しい弦を買うお金を持っていなかったんです。
モーリスの社員さんは、そんな私を不憫に思ったのか、自分の工具箱から新しい弦を出して、無料で張り替えてくれました。さらに、弦の張り替え方を丁寧に教えてくれたんです。

この時教えてもらった弦の張り替え方、今でもハッキリ覚えていて。それ以後はズット同じ方法で弦を張り替えています。

自分の名前が入ると、確かに思い入れが増します。その時に埋め込んでもらった名入りプレート、かなり気に入っていました。

ところが・・・

いつの間にか、プレートが外れてしまい、紛失してしまったんです。

MV-701を弾かなくなってだいぶ経ちますから、もう未練はないと思っていましたが。今度、Sさんのリペアショップで調整をしてもらうことになり、フレットの減りやネックの反りに加えて、この『名入りプレートが埋め込まれていた痕』が、とても気になりました。

で、調整をお願いする前に、自分でインレイ加工を施すことに決めたんです。

ただ、インレイ加工は経験がありませんし。予算も掛けられないので、有り合わせのモノで頑張るしかありません。
以下に説明する加工の方法は、あくまでも素人が適当にやったものだとご了承の上で見て頂けたら幸いです。


まず、30年前に埋め込んでもらったプレートが無くなった状態の『掘り込み痕』です。




大体ですが、7mm×40mmの大きさで、深さは1.5mmほどあります。

ネットで『インレイ』を検索すると、様々な素材や形のものが手に入ることが分かりました。
で、ちょっと贅沢に『パール貝』を使うことにしました。




大きさは、40mm×40mm、厚さが1.5mmのモノがありました。これなら最小限の加工で済みそうです。
ただ、値段はこの大きさでも2,800円ほどします・・・


ここから作業に入ります。

まずは、寸法を測り、切断する時のガイドにするため、インレイに印を付けます。
そして切断です。切断には金属も切れる『NASAも使用の革命児 フリーウェイコッピングソー』を使いました。




この鋸は、バイクの改造をした時に使っていたものです。ただ、この革命児をもってしても、パール貝の切断にはかなりの時間を有しました。

パール貝は、相当に硬いです。

さらに、真っ直ぐに切断するのが難しい・・・
これは、インレイが小さいということも原因の1つです。本来は、万力などでインレイを固定してしまった方がやり易いのでしょうが。今回は、普通に机の上で切断しましたので・・・相当慎重に鋸を動かさないと真っ直ぐに切れていきませんでした。

そんなこともあり、たった40mmを切断するのに1時間近く掛ってしまいました。

切断した大きさは、ギター指板側の『掘り込み』よりも若干大き目にしましたので。切断後は、100番のサンドペーパーでひたすら形を整えていきます。
この作業も、(飽きっぽい私には)かなり根気のいる作業でした。
ただ、このヤスリ掛け次第で完成度が決まってしまいますので。(私にしては)頑張って慎重に削っていきました。

こちらも、1時間ほど掛かりましたが。
MV-701の指板の『掘り込み』にピッタリとハマるパール貝のインレイが出来上がりました。

指板の『掘り込み』には、まだ当時の接着剤が残っていましたので、息子の彫刻刀をお借りして、綺麗に接着剤を取り除きます。
これで、完成したインレイを接着すれば完成ですが・・・

ただインレイの板を切って埋め込むだけでは、何だか寂しい。

そこで、インレイに名前を彫り込むことにしました。(素人なのに無謀ですね・・・)


以下は、名前の彫り込み作業になります。

まずは、彫り込む文字を紙の上でデザインしてみます。デザインが決まりましたら、インレイに鉛筆で下書きをします




デザインに関しても全くの素人ですので、完全な自己満足です。デザインの良し悪しに関してのご意見は、皆様の心の中に仕舞って置いて下さい。

下書きを元に、彫り込んでいく訳ですが。掘り込みには『ミニルーター』を使います。




これは、以前に趣味でアクセサリーを作っていた時に使っていたものです。これが無ければ、自分で名前を彫り込むなんて無謀なことは考えなかったと思います。

リューターは、用途によって先端を変えることが出来ます。
今回のように細かい『彫刻』をする場合は、先の細い『ダイヤモンドビット』というものを使います。

フリーハンドなので、かなり凸凹してしまいましたが。大体彫り終わりました。




ただ、もちろんこれだとデザインが全然目立ちませんので、色を付けていきます。

色付けには『アクリル絵の具』の黒を使いました。これも家にあったものです。
果たして、パール貝に対してアクリル絵の具が適しているのか全く分かりませんが。たったこれだけのデザインに色付けをする為だけに専用の塗料を買うのも面倒だったので、使ってしまいました。

ギターを弾いている内に色落ちなどするようだったら、また塗料もしっかり考えてやり直してみたいと思います。

で、色を入れた状態です。




まだこの状態では、文字も凸凹していて、インレイの表面にも細かい傷が多数あります。
リューターの先端に細かいヤスリを付けて磨きます。さらに、最終的には純毛のバフを付けて磨きました。




今回使用したリューターの先端部です。
左から、彫刻に使った『ダイヤモンドビット』、磨きに使った『純毛バフ』と『シリコンバフ』です。

リューターは、本当に便利ですね。

で、ギターの指板に仮留した状態です。




紙上でデザインした時に比べて、何だかバランスが悪くなってしまった上、彫刻も仕上げも雑で凸凹感が残っていますが・・・
まぁ、私にはこれが限界ということで。余裕があれば、あともう少しだけ修正してみたいと思います。

以上で、とりあえずMV-701のインレイ加工は終了とします。
ホントに有り合わせのモノを使っての加工で、しかも、ギターの指板側の『掘り込み』は行っていませんので、全く参考にならないかもしれませんが・・・

ただ、今回の作業で1つだけ分かった確かな情報があるとすれば、『貝は堅い』ということで。切断と整形には、かなりの手間と忍耐が必要だということです。

今回は、四角いインレイの加工だけでしたが、これが複雑なデザインのものを作ると考えると・・・
とても私には出来ません。

最近、私の苦手なDIYの記事が続きますが。まぁ、ギターリストは、こんな作業も結構やらなければならないんですよね。


☆モーリス『MV-701』の関連記事!

・モーリス『MV-701』
・指板のインレイ加工
・モーリス『MV-701』 リペア完了!
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Posted by sinya at 23:39調整・メンテナンス

2013年07月17日

HYG-038 調整計画『ブリッジピン・弦交換』




【sinyaが開発!弾く脳トレ!よなおしギター】


さて、前回の弦高調整により、1弦<1.8mm> 6弦<2.4mm> と、目標の弦高に近付いたHYG-038ですが。
本日はいよいよ、調整計画最後の作業『ブリッジピンと弦の交換』です。

ブリッジピンも弦も、簡単に交換できますので、それほど大変な作業ではありませんが。これで調整作業が終わるということは、この作業が終わった時には『弾きやすくて良い音のギター』になっていて欲しい訳です。
もし、調整作業の全工程が終了した時点で、例えば音に納得できなければ、また調整を考え直しやり直さなければなりませんからね。

そんな不安を抱えつつ、早速、作業を始めます。


まず、ブリッジピンの交換ですが、このブリッジピンを使うことにしました。



グラフ・テック社のTUSQ製ブリッジピンです。

このピン、以前もご紹介しましたが、人口の象牙で出来ています。で、結構高価なピンです。
低価格のHYG-038に対する低予算の調整計画には、そぐわない感じがしますが。実はこのピン、HYG-038の調整計画を考えるズッと以前に『間違ってオーダーしてしまった』ものなんです。返品も考えましたが、そのうち役に立つかもしれないと取って置いたんです。

HYG-038は、低価格とはいえ、とても使用頻度の高いギターです。それに、そもそも生徒さん用のギターですので、これぐらいの贅沢はしても良いと思いまして。TUSQ製ブリッジピンを付けることにしました。


一方、弦ですが。こちらも、以前の記事でご紹介した『エリクサー』のカスタムライト・ゲージです。



劣化の遅さと弾きやすさに加え、音も私の好みですので、文句なしで採用です。

で、ブリッジピンと弦の交換に関しては、作業風景の画像は省略しますが、作業後のHYG-038の画像をアップします。

全体



ブリッジ部



さぁこれで、予定していた調整計画は一応終了いたしました。

調整後のHYG-038の弾き心地・音はどうなったでのしょうか?
私なりの感想を書いてみます。


まず、弾き心地です。

弾き心地に関しては、最高の結果になりました。
元々がとても弾きやすいギターですから。そのギターをさらに、弦高を低くして弦のゲージを下げましたので、弾きやすさという点では『これ以上無い』という状態になりました。

当初の『立って弾きやすいアコギ』という目標に関しても、達成感は高いです。以前、同じように立って弾くことを想定して調整したAPX700Ⅱも、調整後かなり弾きやすくなったのですが。ボディが小さくスケールが短い分、弾きやすさはHYG-038に軍配が上がります。

この弾き心地は、エレキギターの弾きやすさともまた違っています。ボディが軽いお陰か、エレキには無い独特の『シックリ感』があって、『本来、アコギは立って弾くものではないか』と思わせるほどの『弾く楽しさ』を体験することが出来ます。
もちろん、アコギを座って弾くことを否定している訳ではありませんが。立って弾くアコギは、ホントに楽しいですね。


次に、音です。

こちらは、かなり残念な結果になりました。
実は、弦高調整をした後、弦高チェックの為に弦を張ってチューニングし始めた時点で気が付いていたのですが・・・

調整前とかなり音が変わってしまったんです。

何か、コモッタ感じで、音が引っ込んでしまったというか音に薄い膜が掛かっている感じというか。
とにかく、調整前の『低音の優しい音と高音のハッキリした音』という長所が、スッカリ無くなってしまっていたんです。
弦高を低くすることによる音の影響は、ある程度覚悟していましたが・・・

正直「これはヤバイ!」と思いました。

ただし、この音の変化に気が付いたのは、まだブリッジピンと弦を交換する前でしたので。ブリッジピンと弦を換えれば、ある程度は改善できるだろうとも思いましたが。ただ、ギター本体のバランスが、良い状態から崩れてしまったのは明らかです。

何とかしなければなりません。

弦高調整の時、サドルの底面を削った訳ですが、今回の作業は非常に上手くいって『サドル底面は平ら』である自信があります。
そうなるとこの音の変化の原因は、単純に『弦高が低くなったことによるもの』だと思ったので・・・
弦高を少しだけ高くすることにしました。

その方法が『トラスロッドの調整』です。

トラスロッドは、ギターのネックの中にある長いボルトです。本来は、ネックが反った状態になってしまった時に締めたり緩めたりして、本来の真っ直ぐな状態のネックに戻す為に使うものです。
ただし、この『トラスロッドの調整』を、ネックの反りを治す目的以外に行うことがあるようです。

それが『音色を変える』目的です。

当然、ネックの反りの状態が変われば弦高も変わりますね。そうなれば『音色』にも影響をもたらせる訳です。
今回のHYG-038の調整では、弦高が低くなったことによって音が変わってしまったと予想できます。なので、今度は、少しだけ弦高を高くする、要するに『ネックをワザと順反り気味にする』ようにトラスロッドを調整する訳です。

『トラスロッドの調整』が、どれぐらい音に影響するのか分かりませんが、実験的にやってみることにしました。

HYG-038は、ヘッド部分にトラスロッドの調整口があります。




黒いカバーを外すと、トラスロッドの先端が見えました。六角レンチで簡単に回すことが出来ます。




まずは、『ワザと順反りにする』ので、緩める方向にレンチを回します(反時計回り)。一度にあまりたくさん動かさないように注意しなければなりません。大体『4分の1回転』ほど回しました。
で、この状態で弦を張りましたら、弦高がだいぶ高くなってしまったのて。これでは、仮に音が良くなっても、いずれはまた不満が出てしまうと思いました。

ですので、次に。トラスロッドを締める方向(時計回り)に戻してみました。先ほど緩めた分の半分程度です。
再度、弦を張ってチューニングしてみると、今度は弦高に違和感はありません。ただ、肝心の音はそれほど変わっていないような感じです・・・。

「トラスロッドの調整は、それほど音に影響しないのか・・・」

と、半ば諦めて。その後、本日の『ブリッジと弦の交換』を行った訳です。
さすがに、ブリッジを『TASQ製』にして、弦を新品の『エリクサー』にしたので、ある程度は音がハッキリとして良い感じにはなりましたが。この時点では、まだ不満のある音だったんです。

という訳で。HYG-038の調整計画は、多少の不満点を残したまま終了となりました。


ただし!この調整計画には、後日談があるんです。

調整が終わったHYG-038は、弦のチューニングをしたまま一晩ギタースタンドに置いておきました。
で、次の日、HYG-038を弾きましたら・・・

明らかに「音が良くなっている!」、これには驚きました!

前日の、いかにも『コモッタ音』とは明らかに違う『ハッキリとした音』に変わっていたんです。一日で一皮剥けたと言いますか、音量に関しても、前日までの『広がりの無い小さな音』とは明らかに変わって『バンッと大きな音』がします。

これは、嬉しい誤算でした。

弾いていても非常に気持ちが良いぐらいの音になっていたので、何で一日でここまで音が変わるのかと、とても不思議に思ったんですが・・・どうやら、トラスロッドを調整して、ネックの状態が落ち着くまでに、ある程度の時間が掛かるようなんです。
本当にそれが要因なのかは定かではありません。ただ、HYG-038の音が一日で激変したのは確かです。

ギターの全体的なバランスが良くなったお陰で、弦の性能も引き出されるんですね、やっと『エリクサー』本来の音を出してくれるようになりました。もちろん『TUSQ製のブリッジピン』も効力をより発揮していると思います。

最終的にHYG-038は、『弾きやすさ』も『音』も、かなり目標に近いギターになりました。
いつものように行き当たりバッタリの調整で、確かな根拠も無く進めてしまったのですが。奇跡的に『弾いていてスゴク楽しいギター』になりました。

ただし。『音』に関しては、多分、調整前の状態の方が良い音がしていたと思います。

今回、HYG-038の調整を終えて確実に言えるのは『素人は、バランスの良いギターをイジらない方が良い』ということ。

今後は、調整に関してもっともっと勉強して、素人からの脱却を目指したいと思います。


HEADWAY『HYG-038』関連記事

・貸し出し用アコースティックギターギター~ヘッドウェイ『HYG038』~
・HEADWAY HYG-038の音
・HEADWAY『HYG-038』調整計画
・HYG-038 調整計画『ストラップ・ピン取り付け』
・HYG-038 弦を考える
・HYG-038 調整計画『弦高調整』
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Posted by sinya at 17:53調整・メンテナンス